12月のスタートとともに廃止になるのが、紙の健康保険証です。
2日からは原則「マイナ保険証」に切り替わりますが、医療の現場からは懸念の声も上がっています。
1日朝、米子市内のクリニックでは、これまでの「紙の保険証」が2日から廃止されることを知らせる掲示が出されていました。
紙の保険証は1日いっぱいで廃止され、2日からは原則、マイナンバーカードに保険証の利用登録をした「マイナ保険証」を使用することになります。
40代の利用者:
Q.マイナ保険証の利用は?
今年に入ってからですね。
特に問題もなく使えている。
このクリニックでは、すでに患者の約6割がマイナ保険証を使っているということですが、中には…。
80代の利用者:
言われて今、気づきました。
Q.マイナンバーカードは持っている?
持っていないですね。
2日からは、マイナ保険証を利用していない場合、保険組合などが発行する「資格確認書」の提示が必要となります。
また、国は混乱を避けるための暫定措置として、2026年3月末までは従来の健康保険証も利用できるとしています。
ただ、医師からはこんな声も…。
木村あおぞらクリニック・木村隆誉院長:
マイナ保険証が何らかのトラブルで認識されない時は資格情報のお知らせだったり、マイナポータルを見せてもらう手続きだったり、初めて来られた方は申し立て書を書いてもらわないといけないので、少し煩雑になる。
このクリニックでは、これまで目立ったトラブルはないということですが、全国ではマイナ保険証の読み取り不良や認証エラーなどのトラブルが報告され、これからの季節、発熱を訴える患者への対応も増える中、機器トラブルによる受付業務の停滞を心配します。
木村あおぞらクリニック・木村隆誉院長:
受付業務がそこで完全に止まってしまうので、特に発熱患者さんも多いので、スムーズにいくようになんとかしていきたい。
鳥取・島根両県のマイナ保険証の利用率は、ともに全国平均を上回っているものの、鳥取40.9%、島根44.96%にとどまっています。
様々な課題や懸念を「積み残し」たまま、「マイナ保険証」の運用が本格的に始まります。