◆「一番重くてかわいい。きれい。格好いい」金メダルの「夢」かなえ喜ぶ片山結愛選手
聴覚に障害があるアスリートの国際大会、デフリンピックは11月25日で全ての競技を終えました。バドミントン団体では香川県綾川町出身の片山結愛選手が悲願の金メダルを獲得、長年の「夢」をかなえました。
(バドミントン団体金メダル 片山結愛選手)
「今までの国際大会の中では一番重くてかわいい。きれい。格好いい」
◆予選リーグはまさかの2連敗…直前のペア結成も「自分の弱さ」と言い訳にせず
大会前から金メダルを目標に掲げていた片山選手。最初に出場した混合ダブルスはあまりにも早い幕切れとなりました。
開幕1カ月半前に当初のペアがケガで出場を辞退。急造ペアで臨み、健闘したものの、まさかの2連敗で予選リーグ敗退となります。
(片山結愛選手)
「しっかり勝ちたかったが実力不足だと思った。自分の弱さが見えてしまったので今まで応援してくれた人のためにも、次は団体戦で金メダルを獲得できるように頑張っていきたい」
◆予選リーグ2戦・決勝トーナメント初戦に出場の片山選手 すべてストレートで勝利し貢献
男女のシングルスとダブルス、混合ダブルスの5試合で争う団体戦。これまで数々の国際大会で優勝してきた実力者は気持ちを切り替え、団体でのリベンジに燃えていました。
片山選手は予選リーグ初戦を女子ダブルス、24日の予選リーグ2戦目と決勝トーナメント1回戦は混合ダブルスで出場。全て2対0で勝利し、勝ち上がりに貢献しました。
◆金メダルをかけた中国との決勝 スタンドから声援送り…自らの出番の前で決めた「金メダル」
片山選手の地元、香川県綾川町ではパブリックビューイングが行われ、熱い声援を送りました。
決勝まで危なげなく勝ち進んできた日本ですが、決勝では強豪・中国を相手に1試合目の男子ダブルスを落としてしまいます。
4年前の前回大会は銀メダルに終わった日本。5試合目の混合ダブルスにエントリーされた片山選手は自分の出番を待つ間、スタンドから声援を送ります。
すると続く2試合を連取した日本がそのまま4試合目の女子シングルスでも勝利。団体初優勝を果たしました。片山選手は決勝で出番はありませんでしたが、郷土勢で唯一の金メダル獲得となりました。
◆孫の悔しい思い十分に知る祖父・健治さん「団体だけで十分。最高!」綾川町・前田町長も快挙に賛辞
〇綾川町役場でのパブリックビューイング
(綾川町 前田武俊町長)
「片山結愛選手が目指していたもの。ともに喜びたい。(Q:決勝では出番はなかったが)これは団体だから、みんなで挑戦して取るものだから。高校生の時から長い間、デフリンピックを目指してきた。われわれには分からない喜びがあると思う。良かった、おめでとうと言いたい」
(片山選手の祖父 片山健治さん)
「信じられないことはないが信じられない。混合でもメダルが欲しかったが、団体だけで十分。最高!」
◆「今まで応援してくれた人にいい報告がしたいという気持ちで頑張れた」
(片山結愛選手)
「個人戦では悔いが残る試合となったが、団体戦ではチームが一つになって全員でつかめた勝利だと思う。団体戦では絶対金メダルを獲得して、今まで応援してくれた人にいい報告がしたいという気持ちで頑張れた」
片山選手の次の目標はアジア大会での金メダル。そして4年後のデフリンピックでは女子ダブルス、混合ダブルス、団体の3冠を狙います。