耳が聞こえない、または聞こえにくい選手の祭典「デフリンピック」は、11月15日(土)に開幕し、いよいよ大会も後半戦に突入。大会7日目もメダルラッシュでした。
まずは、駒沢陸上競技場で行われている陸上です。
男子1500mで決勝進出を果たしている齋藤丞選手(23)が本命の5000mでも決勝進出を目指します。
齋藤選手は上位8位までが決勝に進める予選に出場、レース序盤では後方集団につけます。これは、5000mという距離を考えた齋藤選手の作戦で「序盤は体力を温存する」といういつもの“丞スタイル“。
レースも中盤にさしかかると徐々に順位をあげていきます。気がつけば上位グループに入っていました。
ラスト1周になるとスタンドから「丞、行け~」と大声援が飛び、背中を押されるように齋藤選手はラストスパートをかけます。
結局、6位でゴールし決勝進出を決めました。注目の男子5000m決勝は11月24日(月・祝)に行われます。
齋藤選手:
きょうは予選なので決勝はさらに早くなると思う。それでも諦めず最後までしっかり走りきりたい。
続いては水泳です。デフリンピック5大会出場のエース・茨隆太郎選手(31)。
前日に男子400m自由形でデフ通算20個目となる銀メダルを獲得しましたが、大会7日目は、男子200m自由形決勝に臨みました。
序盤から積極的に先頭争いを演じレースを引っ張ります。ラスト50メートルでは2位以下を引き離し、1分54秒72のタイムで堂々1着でゴール。今大会水泳陣初の金メダルに輝き、茨選手は日本勢最多タイのデフ通算21個目のメダルとなりました。
続いては、京王アリーナで開催されているバドミントンです。
女子ダブルスでは、矢ケ部紋可選手(23)&真衣選手(21)の姉妹ペアが決勝に臨みました。
前回大会は準決勝に進みましたが、残念ながら日本選手団からコロナ陽性者が出たため試合を「棄権」することになり、不完全燃焼のまま姉妹のデフリンピックは終了しました。その分、今回の決勝にかける意気込みは相当なものでした。
中国ペアを相手に第1ゲーム、「さすが姉妹!」と言わんばかりに息のあったコンビネーションを見せ、最後は妹・真衣選手がスマッシュを決めて、第1ゲームを奪います。
続く第2ゲームでは、今度は姉の紋可選手の粘り強い活躍などで主導権を握り続け、ストレートで中国ペアを下し、悲願の金メダルを手にしました。
また、男子ダブルスでは、20歳差のペア永石泰寛選手(38)&森本悠生選手(18)は、タイペアとの準決勝は59分の激戦を制し、決勝戦に挑みましたが、最後はロシアペア(個人の中立選手として参加)にストレートで敗れ、金メダルには1歩届かず銀メダルとなりました。