悪質な交通事故で娘を失った父親が19日、愛知県警の警察官らに講演し、「最善の捜査を尽くすことが、最大の被害者支援になる」と訴えました。
19日に行われた講演会には、交通捜査などを担当する警察官およそ200人が参加しました。
講師の波多野暁生さん(48)は2020年3月、当時11歳の娘と横断歩道を歩いていたところ、赤信号を無視して走ってきたワゴン車にはねられました。
この事故で娘は死亡して波多野さんも重傷を負い、運転手はその後、危険運転致死傷罪で起訴されました。
危険運転致死傷罪の適用をめぐっては、要件があいまいなため改正に向けた議論が進んでいて、波多野さんは見直しのための法制審議会の委員を務めています。
波多野さんは「悪質な事例には、より重い罪を適用できるよう最善の捜査を尽くすことが、遺族の無念を少しでも晴らし、新たな事故防止に繋がる」と訴えました。