県によりますと、19日に続いて20日も霧島市で見つかった野生のイノシシ1頭の死骸から県内2例目となる豚熱ウイルスの感染が確認されました。
豚熱は強い感染力と高い致死率が特徴で、20日は緊急の防疫対策会議が開かれる一方、県内最多の養豚農家がいる鹿屋市では豚に感染が広がらないように消毒用の消石灰が配布されました。
養豚農家や関係機関の約180人が参加した緊急の防疫対策会議では、養豚場に防護柵の再点検など衛生管理の徹底を呼びかけ、イノシシが通る獣道にワクチンを散布するなどの対策が報告されました。
県によりますと、11月17日と18日に霧島市で見つかった野生のイノシシ2頭の死骸から豚熱の感染が判明しています。
豚熱は豚やイノシシの伝染病で、強い伝染力と高い致死率が特徴で、野生のイノシシでは県内で初めての感染事例となります。
県内でイノシシの死骸が見つかった半径10キロ圏内では2025年、宮崎県で野生のイノシシの感染例が相次いでいます。また、霧島市の山中の1例目と2例目の発見場所の距離は約3.5キロです。
死骸が見つかった地点から半径10キロ圏内にある県内の10農場で異常は見つかっていませんが、日本一の産出額を誇る養豚業に感染が広まれば、大きな打撃となります。
県家畜防疫対策課 藏薗光輝課長
「鹿児島県は日本一の養豚県なので絶対に侵入を防いで対策を徹底したい」
一方、88戸で県内最多の約20万頭の豚が飼育されている鹿屋市では、養豚場の入り口や畜舎の周りに散布する消毒用の消石灰が配布されました。
鹿屋支局・春山たかよ記者
「隣の霧島市での豚熱発生を受け、鹿屋市は備蓄していた消石灰の配布をきょうから開始しました」
消石灰の配布数は500頭までは200キロ、1000頭までは400キロ、1000頭以上が600キロとなっています。
豚7500頭を飼育
「非常に不安な状態、見えない敵と戦うから、今からまた必死に防疫、衛生管理を徹底してやりたい」
「万が一(豚熱が)出たら生活ができなくなるし、従業員も抱えているので皆で協力して病気が入らないようにしたい」