広島県でカキの大量死が深刻化し、生産量の6割を占める一大産地が打撃を受けています。東海地方でもすでに価格の上昇や粒の小型化が見られ、“冬の食卓”に影を落としています。

 19日、広島県東広島市のカキ養殖業者を視察した鈴木農水大臣。手に取ったカキには、身が入っていません。この業者では、育てたカキのおよそ9割が死滅し、出荷を止めざるを得ない深刻な状況だといいます。

 広島県は、養殖のカキの生産量で全国のおよそ6割を占める一大産地で、大量死の被害は県の広い範囲で確認されています。

 その影響は東海地方にも。

 愛知県春日井市のスーパーに並ぶ「広島産カキ加熱用」は、150グラム入りで538円。代表によると、2024年の今頃に比べて粒が小さいうえ100円ほど高くなっていて、年末にかけてさらに品薄になりそうだといいます。

エフマルシェの福丸明男代表:
「問屋や産地から『今年は8〜9割死んでしまった』と聞いております。鍋のシーズンの今後、カキがなくなるのではないかと予測しております」

 これからの季節に欠かせないカキのピンチ。「それでも食べたい」という声も聞かれました。

買い物客:
「寒くなると鍋がおいしいですね、カキ鍋とか。高くなっても、おいしかったら買って食べちゃいますね」
「高いと思う。トロっとしておいしいもん、カキおいしい。(カキを買うのを)2回のところを1回にしないといかんわね」

 カキの産地・三重県鳥羽市。2025年7月の巨大地震による津波の影響で、養殖いかだが流される被害がありましたが、カキの成長は順調です。

浦村かき組合の角田直樹組合長:
「身の付き方は割と良いんですよ。すごい白いし。12月に入ると水温がぐっと下がって、もっと白くなってブリブリして」

 しかし、広島の被害はひとごとではありません。

角田組合長:
「去年までは8〜9割死んでいたので。パカッとすると身が悪いし、白くない」

 2024年まで、今回の広島同様のカキ大量死が続いていた鳥羽。2025年は一転、去年の3倍ほどの収獲が見込めそうですが、広島で生産が減った分をカバーするのは難しいと話します。

角田組合長:
「ここの10倍ぐらいの規模がある広島で、8~9割死んでいたら死活問題ですよね。(代わりに)こちらのカキを食べるというのは多くはないと思いますよ」

東海テレビ
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