冬の味覚「カキ」に異変です。愛媛県内で養殖が盛んな愛南町で、カキの大量死が発生していることがわかりました。出荷シーズンを前にベテランの養殖業者も、肩を落としています。

冬の味覚の王様「カキ」。中でも身がプリプリでクリーミーな味が人気なのが、愛南町が誇る『愛南かき』です。養殖カキのイケスが広がる愛南町の御荘湾。御荘湾は餌となるプランクトンが豊富で、20軒ほどの業者がカキを養殖をしています。ところが20日訪れてみると…大量に積み上がっているのは死んだカキの殻の山。

カキの養殖業者・松本和三さん:
(Q.殻は何軒分?)「これで7業者、7軒ぐらいです」

町内では今、養殖カキの大量死が発生しているといいます。カキの養殖業者松本和三さん(85)。この道35年以上のベテランです。例年、11月下旬から出荷作業が始まりますが…

松本和三さん:
「海に浸けてたけど、また今度選別するのに海からあげたらキャリーに3杯、4杯は死んどる」

海からあげた3年物の養殖カキですが、口を開け、空っぽな状態になったものがあちこちに。

松本和三さん:
「6割ぐらいは確実に死んでるな。過去こんだけ死にが多いのは始めてやな」

実は町内の養殖カキは同じく大量死が発生している広島県から仕入れ、御荘湾で育ててから出荷しているものが多く、仕入れた段階で衰弱してしまっているものも…

松本和三さん:
「広島からとって戻った時に衰弱しよるのがここで死ぬんやろな。広島の方は水温が高い気温が高い言うて、いろいろと調べよるんじゃけどな。どんな影響で死んだのかわからん」

シーズンを前にした大量死の発生に、松本さんも肩を落とします。

松本和三さん:
「もう今これだけ死んで、どこへ言うていいやらわからん。生活も懸かってることやし、赤字も赤字も大赤字です」

松本さんは当面、生き残ったカキの出荷に望みをかけます。

松本和三さん:
「僕らはこれに懸けてる。一生懸命やって、生産者が消費者のみなさんに、おいしいカキを提供してあげたい」

県内での大量死の発生を受け、県も実態把握へ調査を進めていますが、原因は不明だということです。

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テレビ愛媛
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