寒波がやってくる中でまだ気を緩められないのがクマへの対策だ。シーズンを迎えている温泉地でも頭を悩ませている。
◆奥会津の温泉旅館も悩み
福島県金山町の山間いにある温泉宿は、まさに今が繁忙期。奥会津の秘湯を求めて、海外からの観光客も来るというが今年は…。
玉梨温泉・恵比寿屋の坂内譲専務は「あれだけニュースで(クマが)色々取り上げられているので、全然関係ないという感じではないですね。山間部はクマが怖いよっていうイメージが着くのは怖いですよね」と話す。
11月18日までの福島県内でのクマの目撃件数は1779件と去年より1000件余り多くなっている。この旅館では、大きなダメージこそないものの、クマを理由とした予約のキャンセルも複数件発生した。
■旅館もクマ対策
旅館では入口の前にたってもドアが開かない。自動ドアは切られていて、手動で開けるようになっている。クマが入り込まないように自動ドアは電源を切り、外出する宿泊客には、クマ鈴や懐中電灯を無料で貸し出し。
対策を強化する一方、観光客を追い返してしまうような厳戒態勢をとってしまうと、事業の継続にも直結するのが悩みだ。
恵比寿屋の坂内専務は「クマ対策だけのために地元に他から来ないでくれっていうだけの話になってしまうと、私たちも今度は生活できなくなってしまいますから、そこは上手に形の取れるようにしたいなと」と話した。
いつまでこの状況が続くのか…観光地も注視している。
■クマ対策で花火の需要が1.5倍に
「パーン」大きな音を響かせ動物を追い払う花火。販売するのは須賀川市の糸井火工だ。今年ならではの“変化”があるという。
糸井火工の花火師・石井孝幸さんは「(発売当初は)今みたいなこういう感じで需要が増えるとは思っていませんでした」と話す。
元々サル避け用としての需要があったこの花火。2025年はクマ対策として県内全域から問い合わせがあり、売り上げは約1.5倍に伸びている。県内であれば特殊な免許などが無くても使用できるが、一般的な花火よりも取扱いに注意が必要なため使用方法などを説明した上で販売している。
糸井火工の石井さんは「これだけ色々な被害出てますから、少しでも弊社でお役に立てればよいかなと思っております」と話す。
クマへの警戒から花火の需要も高まっている。
*購入したい場合は糸井火工ホームページか、電話0248-65ー2218に問い合わせ