贅沢に盛り付けられたイベリコ豚の生ハムに、海の恵みたっぷりのパエリア。
「イット!」が訪ねたのは東京・錦糸町に店を構えて13年になるスペイン料理店「リストランテ・バル・ポルテーニョ」です。
今、開店以来の大きな危機感を抱いています。
リストランテ・バル・ポルテーニョ 帆足和彦代表:
ユーロ高だともう直接的なので、非常に心配しています。ワイン、シェリー、イベリコ豚、ほとんど可能な限りはスペイン産を使っています。ワインは恒常的に上がっています。
円安が加速し18日、19日と2日連続で史上最高値となる180円台を付けたユーロ。
「リストランテ・バル・ポルテーニョ」では多くの食材を現地から輸入しているため、負担は極めて大きいといいます。
もともと値上がり傾向にあったスペインからの輸入食材ですが、今後、ユーロ高による更なる値上げが大きな不安材料となっています。
更に、スペイン料理に欠かせないオリーブオイルも例外ではありません。
リストランテ・バル・ポルテーニョ 帆足和彦代表:
いいオリーブオイル使わないとだめなので(価格は)1割以上上がっています。(これ以上)値段が上がらないことを祈っています。
一体なぜ、円安ユーロ高がここまで進んでいるのでしょうか。
フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
高市政権の経済対策が大規模なものに膨らむとの見通しが強まった結果、国の借金が膨らんで財政が悪化するリスクが意識され、日本円が売られ、円安ユーロ高が進む展開になっています。
一方、現地ヨーロッパで影響を受けるのが日本からの旅行客です。
この円安は、パリを訪れる日本人観光客も直撃しています。
例えば、ハムとチーズを挟んだシンプルなサンドイッチの値段は日本円にすると1000円を超えます。
ヨーロッパで続く物価高に今回のユーロ高が追い打ちをかけていました。
実際の旅行客は困り顔で、ユーロ高を考慮して飛行機を節約したといいます。
日本人旅行客:
高いです。ヒツジ肉のローストとホタテのタルタルとジュース1本ずつで2万円くらいしまして、そこからスーパーを使っています。(スーパーで)買ったのをホテルで食べている。名古屋、ホーチミン、パリ片道6万円なので30時間かけて削るとこは削って観光と買い物にお金を全ベットしてます。
ユーロ高は、今後どうなっていくのでしょうか。
円高に転じる材料が見当たらないことから、年末年始に向けてユーロ高の傾向が続くのではとの見方も広がっています。
その影響は年末年始の海外旅行にも及ぶ可能性がありそうです。
航空・旅行アナリスト・鳥海高太朗さん:
新規にヨーロッパの旅行に行きたい人などについて、予算オーバーというかたちでアジアとか少し近場にシフトする層も一定数いるかなというふうに思います。