しかし、藤江さんは「この方法で復活することはあり得ません」と断言する。
「フライパンに残っていた汚れを塩が吸着して絡め取っているものだと考えられます。こびりつきは一時的には改善されますが、コーティング自体が復活しているわけではありません」
加えて、塩を炒めるのは“フライパン表面を傷つける”ことにもなるという。
「こびりつきがある状態はコーティングが傷ついている可能性が高いです。塩でさらに傷つける恐れがありますので、私どもとしては推奨しておりません」
料理はなるべく早く移し替えて
また、ついやってしまいがちな行動がコーティングを傷つける要因にも。
代表的な例としては
・強火で調理する
・フライパンが熱い状態で冷たい水をかける(急に冷やす)
・鋭利な金属製の調理器具を使い、下地のアルミが見えるほどの深い傷をつけること
などがあり、フライパンのこびりつきを強めてしまったりする。
このほか、注意してほしいのが「調理後の料理の保存」だ。完成した料理をずっとフライパンに入れたままにしておくと、ピンホールにも影響を与えやすくなるという。
取材に同席した和平フレイズの星野和彦さんが補足してくれた。
「料理の塩分や酸がピンホールから入り込み、そのまま放置してしまうと下地のアルミ素材にまで届いてしまうことがあります。ふっ素樹脂コーティングは塩分や酸に耐性はあるのですが、アルミには耐性がないため、下地が腐食してしまう恐れもあります」
また、アルミ本体が腐食することでコーティングの剥がれにつながることも。
和平フレイズでは、「調理した料理を置いておくのは長くても一晩が目安」などと説明書に記載。なるべく早く保存容器に移し替えてほしいとしている。
「油引き」は必ず
そしてもう一つ注意してほしいのがフライパンの「空炊き」。
フッ素樹脂加工のフライパンは、本体がアルミのため“熱しやすく冷めやすい”のが特徴。空炊きをすると局所的にフライパンが熱くなることから傷みにつながりやすい。
