2026年が70年の節目となる日本の南極観測隊で女性初の越冬隊長が誕生する。
南極観測隊初の女性越冬隊長に任命されたのは、国立極地研究所准教授、江尻省(みつむ)さん。
研究テーマは、超高層大気科学オーロラの観測装置の開発などが専門で、南極昭和基地に1年以上長期にわたり滞在する越冬隊への参加は2度目。
江尻さんが越冬隊長を務める第67次南極地域観測隊は、12月に日本を出発、第一次南極地域観測隊が出発してからちょうど70年となる年を女性初の越冬隊長として昭和基地で迎える。
江尻越冬隊長は、「70年も1つの通過点であり、大事なことは、長いサイクルのなかで今後につなげられるような仕事をしたい」と話す。
オンラインでの記者会見で江尻省越冬隊長は「女性初というのはもはやどうでもいい。日本の南極観測は全体的に短い夏の期間に多くの観測が行われるので我々越冬隊は、夏に観測が行えるように準備をする、夏を支えるための任務が重要だと認識している。70年の節目であっても1つの通過点だ。長いサイクルのなかで、次につながるような仕事をしたいと思っている」と語った。
第67次南極地域観測隊は青木茂観測隊長以下、94人の隊員で編成された。
地球温暖化に伴うトッテン氷河での氷の融解を調査研究するほか、深さ2500メートルから100万年前の氷を採取する最古級のアイスコアの取得計画では、第67次隊では、深さ2000メートルあたりの氷の採取を目指す予定だ。
また、昭和基地において建設中の隊員用3階建て宿舎が、第67次隊で、外側部分が完成する予定。