第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会の最終日、夏のインターハイでベスト8に名を連ねた札幌大谷と旭川実業。昨年、共に準決勝で惜敗を喫した両校の対戦は、旭川実業の2年ぶりの優勝で幕を閉じました。旭川実業の岡本祐子監督は、「“2年ぶり”が私達には非常に長かった。苦しかった」と優勝までの道のりを振り返りました。
試合は序盤から一進一退の攻防が繰り広げられました。札幌大谷は竹原優里奈、藤本芽愛が攻撃の軸となり、旭川実業も中村咲陽、土屋苺花が応戦、両チームともに堅実なレシーブと粘り強い繋ぎで、容易にポイントを許しません。均衡が破られたのは、第1セット終盤、17-16の場面から旭川実業の柳原奈苗の連続得点を挙げ、一気に札幌大谷を引き離します。この勢いのまま25-19と第1セットを先取しました。
第2セットも旭川実業が主導権を握る展開となりますが、札幌大谷も必死に追随し、点差を広げさせません。しかし、再び終盤に旭川実業が集中力を高め、連続ポイントで突き放しにかかります。25-20でこのセットも連取し、ストレートでの優勝を収めました。
旭川実業の中村キャプテンは、これまでの厳しい練習を振り返り、「本当にやってきて良かった。監督やコーチ、支えてくださった人たちがいたからやりきれた」と感謝の言葉を述べました。さらに、「試合を重ねるごとに、勝ちたいという強い気持ちがチーム全体の成長に繋がった」と大会を通じて得た確かな手応えを明かしました。
2年前、春高のセンターコートを経験した土屋選手は、「3年生が決めなければ、という思いで、中村選手と一緒に決められたのが嬉しかった」と試合を振り返り、全国大会に向けては「旭川実業の名前をもっと広めて、センターコートに戻れるように頑張っていきます」と抱負を述べました。岡本監督も「また春高の全国まで一つ違う作りをして、センターコート(ベスト4)にまた行きたいという思いでやっています。そこにチャレンジしていきたい」と向上心を覗かせました。
一方、札幌大谷の竹原キャプテンは、1月の全国大会に向けて「チーム作りが大事」と語りました。自身の課題として「レフトだけではなく、もっといろんな所から決められるように成長していきたい。強い相手に対して、ただ攻撃するだけじゃなくて、いろんな技術を身に着け、粘り強さを出していきたい」と分析。夏のインターハイではベスト8という実績を胸に、「大谷の良さをもう一度全国の舞台で示し、センターコートに立てるように頑張ります」と意気込みを語りました。
旭川実業と札幌大谷はそれぞれの思いを持って1月5日から始まる春の高校バレー全国大会へと向かい、共にセンターコートを目指す戦いに挑みます。
<女子・決勝>
旭川実業 2 (25-19、25-20) 0 札幌大谷
<男子・決勝>
札幌大谷 2 (25-19、25-12) 0 東海大札幌
「春の高校バレー」男女の準決勝と決勝の模様はUHB北海道文化放送(北海道ローカル)にてダイジェスト放送されます。
男子準決勝・決勝11月16日(日)24:55~ 女子準決勝・決勝11月17日(月)24:25~