カキの生産量日本一を誇る広島県内で今シーズン、「カキ」の大量死が相次いでいることを受け、甚大な被害が出ている呉市の生産者たちが資金繰りの補助などを求めた要望書を市に提出しました。
14日、呉市の新原芳明市長に要望書を提出したのは、「呉漁業協同組合連絡協議会」の吉川宏夫会長やカキ生産者など9人です。
呉市によりますと、呉市周辺の海域では養殖カキの大量死が相次いで発生しており、シーズンを迎えた今、出荷できるカキがほとんどない状況だということです。
こうした状況の中、カキ生産者は年末年始にかけ、資材の支払いなどを控えていて、大量死によって「支払いができない」などの声もあがり、事業継続への不安が広がっています。
14日、呉市に提出された要望書では、国や広島県と連携した資金面を含めた支援、原因究明や防止策の策定、カキのPR推進などが盛り込まれています。
今回の要望について呉市は、「カキは呉市を代表する水産物で食の観光の目玉。特に喫緊の課題である資金繰りが円滑に進むよう支援策に取り組む」として、国や県に働きかけるとしています。
なお呉市は、これまでにも「漁業共済制度」という生産者保険に対し、掛け金の38%を補助するなどの支援を実施しています。
また、呉市では毎年2月11日に「呉水産まつり」を実施し、カキもふるまわれてきました。次回、来年2月も開催するとしていますが、カキが提供できるかについては、現時点では未定としています。