富山市を流れる井田川に、冬の使者ハクチョウが飛来している。初冬の寒空と水辺を暖かな朝陽が照らす中、これらの優美な鳥たちは越冬のため、この川をねぐらとして羽を休めている。

この記事の画像(10枚)

シベリアからの長旅を経て

ハクチョウは3000キロ以上離れたシベリアから日本に渡ってくる。大型の鳥の中では優れた飛翔能力を持つことで知られており、その移動距離は驚異的である。陽が昇ると、彼らは次々に飛び立ち、餌場へと移動していく。水かきで水面を蹴り、大きな翼を羽ばたかせる姿は、冬の風物詩となっている。

家族の絆を育む餌場

井田川のねぐらからおよそ1キロ離れた田んぼには、約200羽ものハクチョウが集まっている。この場所は、5年ほど前から彼らの餌場となっている。鳴き交わす声は、家族や仲間を確認するためのもの。ハクチョウは強い家族の絆を持つと言われており、その様子がうかがえる。

冬の到来を告げる存在

ハクチョウのお目当ては、稲を刈り取った後に生えてくる二番穂である。彼らはこれを餌として、厳しい冬を乗り切るためのエネルギーを蓄えている。午後4時になると、餌場を飛び立ち、ねぐらへと帰っていく姿が見られた。

本格的な冬はもうすぐそこまで来ているのかもしれない。ハクチョウの優雅な姿は季節の移り変わりを私たちに伝えてくれる。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
富山テレビ

富山の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。