かつて戦禍で歴史が途絶え、2025年、復元から40周年を迎えた薩摩切子。
その魅力を多くの人に知ってもらおうと、薩摩切子を使ったアニバーサリーリングが制作され、13日、鹿児島市で制作発表会が開かれました。
鮮やかな色のガラスで花束やリボンがあしらわれた、こちらの指輪。
テレビ番組で制作に挑戦して以来の薩摩切子ファンという俳優・藤田朋子さんがデザインを手がけ、薩摩切子作家の中根櫻龜さんが制作しました。
きらきらと鮮やかな色のガラスが透き通った光を織りなす薩摩切子は、江戸時代末期に海外の交易品として誕生しましたが、戦禍によりその歴史が一度途絶えていました。
1985年に復元に成功し、2025年は復元から40周年の節目の年にあたります。
13日、鹿児島市の磯工芸館で開かれた制作発表会では、これを記念したアニバーサリーリングがお披露目されました。
8ミリのサイズに切り出された薩摩切子を6つ組合わせて作られたガラスの花束は、色のグラデーションがポイントのひとつです。
俳優・藤田朋子さん
「本当にここまで小さく切り込むとは思わなかった。手が全部リングで覆われてしまうような大きな作品になると思っていた」
これまで数々作られてきたアクセサリーの中でも、最も小さく切り込まれた薩摩切子を使っているということで、アイデアを出してから完成までに約1年がかかったそうです。
薩摩切子作家・中根櫻龜さん
「薩摩切子40周年は次の世代に繋げる伝承がテーマ。20代で薩摩切子を買ってくれるファンも増えているので、50周年も大丈夫だな。このまま勢いで行って100周年も良い未来が見えてくる思いを持てるのが今年」
俳優・藤田朋子さん
「薩摩切子の良さを知っている方から知らない方まで手に取って可愛らしいと思えた方が、よそ行きの時だけではなく自分がこれを身につけていることで気持ちが上がる場面でつけてもらいたい」
島津薩摩切子復元40周年記念アニバーサリーリングは、13日から40セット限定で薩摩切子を扱う直営店で販売されています。