和牛と乳牛のホルスタインを掛け合わせた「交雑牛」が注目されている。
“和牛の旨み”と“乳牛のヘルシーさ”を兼ね備え、価格の面でもお手頃になっている。
「特売にしやすい」という声も
冬が近づく中、体の芯からあたたまる鍋料理、しゃぶしゃぶ。
番組はしゃぶしゃぶなどの食べ放題を楽しめる東京・足立区の「ゆず庵 足立島根店」を取材した。

ゆず庵 商品開発部・萩野 平さん:
食べ放題の業態なので、いっぱい食べられるように「交雑種(交雑牛)」を設定しております。
あまり聞きなじみのない「交雑牛」だが、今様々な場所で提供されている。
東京・練馬区のスーパー「生鮮市場アキダイ関町本店」を取材すると、「国産交雑牛」と大きく書かれた肉が販売されていた。
しかし、買い物客からは「初めて聞きました」という声が相次いで聞かれた。

「交雑牛」とは、父親は和牛、母親は国産の乳牛・ホルスタインという掛け合わせで生まれた牛のことだ。
両方の品種の良いところを受け継ぎ、赤身と脂のバランスがとれた牛になると言われている。
ヘルシーであるところも人気のひとつだ。

そして、値段の部分でも東京の卸売価格を見てみると、和牛(A5)は1kgあたり2611円のところ、交雑牛(B3)は1642円と1000円近くお手頃となっている。

アキダイ 関町本店・秋葉弘道社長:
結構和牛が多いんですけど「交雑牛」の方が、どっちかというと特売にしやすいです。はっきり言うと。

12日、スーパーアキダイでは100グラム当たり和牛368円に対し、交雑牛は358円となっていた。
アキダイ 関町本店・秋葉弘道社長:
人気は出ています。物価高なのでね。
あと円安の影響もあって海外のお肉意外と高いじゃないですか。海外のお肉よりは国産のお肉のおいしいものを、同じような値段だったらそっちの方がいいねと。
味も価格も“いいとこ取り”で広がり
「交雑牛」を使ったメニューは、さらに広がりを見せている。

弁当・惣菜専門店「キッチンオリジン」では、交雑牛の「さくらビーフ」を使用したすき焼き弁当を11月から販売開始した。
担当者によると「赤身と脂身のバランスが良く、すき焼きの旨みをより引き立てる」として交雑牛を採用したという。

「ゆず庵 足立島根店」でも交雑牛が使われている。
「贅沢コース」で食べることができる「黒毛牛しゃぶしゃぶ」の肉は交雑種のものだという。

ゆず庵 商品開発部・萩野 平さん:
黒毛和牛の脂のうまみでしたり、ホルスタインの赤身のうまみを掛け合わせることで、食べやすく、かつ高級感を感じられるお肉になっていると思います。
物価高が続く今、味も価格も“いいとこ取り”の交雑牛に期待が高まっている。
(「イット!」11月12日放送より)
