柿の実りに和紙と漆 西条市丹原町の秋を満喫する
愛媛県内は秋真っ盛り。中山明音アナウンサーが「芸術」と「実り」の秋を求めて、西条市丹原町を訪れた。
伝統工芸の新たな息吹と秋の味覚を堪能する旅へ出発だ。
和紙と漆が織りなす「わしき」の世界
最初に訪れたのは、西条市国安にある「田中漆工房」。工房主の田中智之さん(35)は、地元の伝統「周桑手すき和紙」と漆塗りを組み合わせた独自のうつわシリーズ「わしき」を製作している。
田中漆工房・田中智之さん:
「普通の食器って木製の器になるんですけど、うちのあの、手すき和紙、この国安で作っている和紙を使ってこの器の形を作って、そこにうるしを塗る技法で作っています」
中山アナウンサー:
「軽い、けどしっかりしている。紙って言われないとわからないですけど、薄さが繊細さを表わしていますね」

紙と漆を組み合わせた繊細な「わしき」
制作工程も見せてもらった。まず和紙2枚を「のりうるし」(漆とのりを混ぜ合わせたもの)で貼り合わせ、徐々に立体的な形に整えていく。のりうるしは通常の接着剤と違い、「耐水性があり、水でも溶けたりしない」と田中さん。
完成した器は見た目が繊細でありながら実用的だ。「普通の食器として、どんな料理乗せていただいても大丈夫」で、お手入れも「洗剤でスポンジで洗ってもらったら」問題ないという。
「愛媛ってそんなうるしの産地とかじゃない」と話す田中さん。「うるしというのを結構いろんな方に知っていただけたらな」と抱負を語った。

豊作の柿を満喫!はっきり農園での収穫体験
続いて訪れたのは「はっきり農園」。山内ふさえさんが経営する農園では、クリ、イチジク、カキの収穫体験を楽しめる。この日は柿狩りを体験した。
はっきり農園・山内ふさえさん:
「今年は豊作ですね」
園内では「松本早生」という品種が実り始めていた。四角い形をした「次郎柿」も収穫時期を迎えていた。

常連客が柿の味を絶賛
収穫体験中、常連客が「ここの柿が一番美味しいんよ」と太鼓判を押す場面も。
山内さんによると、お客さんは「取っては1つ食べて、ぺちゃぺちゃとおしゃべりして、また取りに行って」と楽しみ、「お腹いっぱいになったら、お土産取ってこうか」と持ち帰り用の柿も収穫するという。

まさに石鎚山さまさま
中山アナウンサー:
「ジュースみたいに甘みがじわって広がって美味しい」
その美味しさの秘密について山内さんは「南向きの洗浄地」「石地、柄地」で「水はけがいい」こと、そして「石鎚さんに守られて風もあんまり強く吹かない」環境を挙げた。
柿狩りは11月4日からスタート。入園料は中学生以上500円、3歳以上300円。収穫した柿は購入して持ち帰ることができる。石鎚山の恵みを受けた丹原町で、芸術の秋と実りの秋を満喫する一日となった。

