宮崎県内の教育現場で生成AI(人工知能)の活用が広がりつつある。2025年度、小林秀峰高校と延岡星雲高校の2校が、教員の校務における活用において「生成AIパイロット校」に指定された。文化祭の案内文作成や小テストのアイデア出しなどにAIを活用し、時間短縮と文書の質向上を目指す。
教員の校務負担軽減に生成AI活用
「生成AIパイロット校」に指定された小林秀峰高校。

西村直樹教頭は、「職員の日頃の多忙感とかもありますし、働き方改革の推進という意味で、(生成AIパイロット校)指定校を受けることにした」と話す。

実際、どのように生成AIを活用しているのだろうか。坂元和久教諭は、保護者宛の文化祭の案内文作成にあたり、生成AI「Gemini」から構成のアイデアを得た。

小林秀峰高校 坂元和久教諭:
今AIからアイデアをいただいた段階なので、これを他の文書ソフトの方に作成する際に、このアイデアを参考にしながら文書を作成します。

その他にも、テストの採点や保護者宛文書の作成、小テストのアイデア出しなど、教員それぞれの使い方で生成AIを活用している。

小林秀峰高校 坂元和久教諭:
時間短縮が図られること、文書の質も向上することが期待される。また浮いた時間を生徒との面談や触れ合いへの活用がよいかなと考えている。
生徒の個別学習をAIが支援

生徒も、生成AIを学習に活用している。

ウェブアプリのプログラミング作成授業では、生徒がアプリで工夫したい点や、プログラミングのエラーに素早く対応するために生成AIを利用。

ある生徒は、「音入ってる?入ってないな」と教諭に尋ねられ、プログラムに音が入らない問題について、音声の入れ方を生成AIに質問していた。

別の生徒は、「(アプリの)ボタンの大きさが小さくて見にくかったからChatGPTに聞いて大きくしました。すぐ分かるから(生成AIは)めっちゃ便利だなと思います」と、その利便性について話した。

さらに、プログラミングの内容だけでなく、アプリで使用する画像も生成AIで作成していた。

生徒:
指示するのがちょっと難しい。細かく指示しないと外国人になったりとかしちゃうので、日本人学生を作るなら「日本人学生」と指示しないといけない。

稲森大将教諭は、「生徒は、はじめのころは使っていいのかな?というところはあったと思うんですけど、だんだん、こう使っていけばいいのかというのが分かってきて、積極的に使えているのかなと思っています」と、生徒のAI活用への適応について話す。

宮崎県は、2025年度内に生成AI活用の成果を県内の学校にも共有する予定で、教育現場でのさらなる広がりが期待される。
(テレビ宮崎)