禁漁が続いていた小型船スルメイカ釣り漁が約3週間ぶりに再開され、イカの街に安堵の声が響いた。
一方で、今後を懸念する声も上がっている。
イカの町に活気戻るか? 漁再開に安堵の声
これは函館の漁港で水揚げされたヤリイカ。
11月9日まで3日間の北海道の特例で捕獲されたものだ。
ヤリイカの函館の市場での10日の取扱量は約300キロ。
キロ単価で約3000円と、2024年の倍近い値段となった。

「10日はヤリイカといえ、非常に高い価格で取引されましたね。久々のフレッシュなイカということで、引き合いは強かったです」(函館魚市場 美ノ谷貴宏さん)

スルメイカ漁再開で観光地にもイカ復活!
一方、いま漁期を迎えているのがスルメイカ漁だ。
休漁から約3週間、10日イカの街・函館に戻ってきた。

「うれしいですね、少し取りたいんですけどね」(イカ漁師)
「出られるのはうれしいけど漁期もあまりないので、(イカが)いてくれたらいいけど」(イカ漁師)

しかし、再開初日、強風とシケの影響で、函館からの出漁は数隻にとどまった。
小型船でのスルメイカ釣り漁は水産庁が定めた漁獲枠を上回ったことで、北海道では10月22日から停止となっていた。
そこで北海道は特例で北海道内の漁業者に限り、10日から北海道の「資源調査」の形をとり、約400トンを上限に再開を認めた。

観光地にもイカが戻ってきた。

函館朝市のイカの釣り堀は2週間以上休業していたが、10日は水揚げされたヤリイカを約130匹入荷し、再開。
「おいしい」(子ども)
「すごく楽しそうに子どもたちが釣ってくれたのでよかったです」「函館はイカが有名って調べてきたので、イカが食べられてとてもうれしかったです」(観光客)

「(再開は)本当にうれしいですね、(イカが)入っているとお客さんも何も宣伝しなくても並んでいる」「(観光客は)これをやりたくて来ているので、その人たちのがっかりした顔を見るのもかわいそう」(元祖活いか釣堀 小野寺透さん)

“漁獲可能量”で懸念の声も― 「対処しようがない」
一方で、イカ釣り漁再開により新たに懸念の声もあがっている。
これは定置網漁の模様だ。

多くの魚が取れるが、北海道はスルメイカは漁獲可能量を超える恐れがあるとして、渡島地方の14の漁協に取らないよう要請した。
「何十年ぶりにせっかく(イカが)来て、従業員もみんな笑顔で。みんな一生懸命頑張ろうぜって言ってやってる中で取るなって。もう怒りを通り越してあきれる」(ツガイナカ中村漁場 中村忠相社長)
魚を待って取る漁法の定置網漁では、イカだけを避けて取るのは難しいという。
「正直今イカを出してくれっていったらブリも全部出てくる。せっかく来たものを取れないっていうのはただただ残念にしか思えないですね」(中村社長)

今後の価格への影響も心配される。
「多分値段大変なことになると思うよ。“網イカ”があったので、釣り船のいけすイカも1キロ3000円以内ぐらいで収まっているが、簡単に倍はいくと思う。(Q.このような状況は?)はじめて、はじめて。対処しようがない」(紺地鮮魚 紺地慶一さん)

明るい兆しが見えてきたイカの街だが、多くの人が満足する結果になるのか、不透明だ。