兵庫県の斎藤知事は11 日の定例会見で、死亡した元県議への名誉毀損の疑いで立花孝志容疑者が逮捕されたことについて、「コメントを控える」と繰り返した。
■「コメントは控える」を繰り返す斎藤知事
11日午前、定例記者会見を開いた兵庫県の斎藤知事。
NHKから国民を守る党の党首・立花孝志容疑者が逮捕されたことについてこう述べた。
斎藤元彦知事:報道では承知をさせていただいておりますけれども、個別の事案である本件については捜査中であることからコメントは差し控えさせていただいていると。
立花容疑者(58)はことし1月に自殺した竹内英明元兵庫県議(当時50)に対し、「逮捕される予定だった」などと、動画配信などで生前と死後に合わせて6回、名誉を傷つけた疑いが持たれている。
捜査関係者によると、告訴された6件がすべて立件されたということで、立花容疑者は「演説で発言したという事実は間違いない」と供述しているという。
Q二元代表制の一翼の元議員に関わる逮捕なのにコメントできない?
斎藤知事:コメントは差し控える。
Qそれはなぜ?
捜査が続いているということと個別の事案になりますから。私自身はコメントを差し控えるというスタンスです。
定例会見では、立花容疑者の逮捕についての質問が相次いだが、斎藤知事は終始、「コメントを控える」と繰り返した。

■斎藤知事 当選直後の配信番組で「立花氏に共感した」と発言
立花容疑者は去年の兵庫県知事選挙で「斎藤知事を支援する」としていわゆる「2馬力」選挙を展開。
斎藤知事はその選挙で再選された当日、インターネットの配信番組で立花容疑者と討論会で同席した際の印象について、こう答えていた。
斎藤知事:公益通報の問題とか内部告発の問題で、すごく問題点の本質をとらえておられるなと。私が思っていたことと同じことを立花さんがおっしゃっていてそこはすごく共感した。
しかし11日の定例会見では。
Q立花容疑者の印象は?
兵庫県・斎藤元彦知事:そのあたりも今、捜査中であるということから詳細なコメントは差し控えたいと思います。

■N党と自民党の統一会派は解消へ
一方で、立花容疑者が党首を務めるNHK党の斉藤副党首は、参議院で自民党と統一会派を組んでいたが、「現政権にご迷惑をかけた責任と政治の停滞を避けるため会派解消を申し出た」と、11日、SNSに投稿。
自民党から了承を得たという。
立花容疑者から誹謗中傷を受けていた、自民党の奥谷謙一県議は、「政治に対する国民の信頼を著しく損ねたことに鑑みれば、当然の判断であると受け止めています」とコメントしている。

■立花氏に拍手、喝采し、拡散した人たちの罪は『非常に重い』
AERA元編集長でジャーナリストの浜田敬子さんは、これまでも質問に対して答えてこなかった斎藤知事の姿勢を批判する。
浜田敬子さん:斎藤知事は今日に限らず、ずっと『コメントを差し控える』と発言をしてきませんでした。民主主義を支える選挙というものについて、2馬力選挙のあり方についてもコメントしないし、立花氏が間違った発言をしても(立花氏自身が間違ったと認めているのに)それに対してコメントをしない。
これ、行政の長としてどうなのかと思います。やはり一定の見識を示すべきではないかと思います。
一方で、立花氏の名誉棄損罪が認められるかどうかは、これから裁判を経ないとではありますが、立花氏が言ったことに、拍手をし、喝采をし、拡散した人たちがいるわけです。たった一人が言ったこと、竹内さんが死に追いつめられることはなかったわけです。
やはり、それぞれが無自覚、無責任に拡散してしまったことも、非常に罪が重いと思います。
(関西テレビ「newsランナー」2025年11月11日放送)

