赤ちゃんはなぜ腰が据わってお座りができるようになるのか。
「赤ちゃんはお母さんの乳首を顔に近付けると吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)といって母乳を吸おうとします。吸うためには力が要るのでお腹を凹ます運動が必要です。これを繰り返すことで腹横筋が鍛えられ、お座りができるようになります」
ストロー飲みで鍛える
この理屈を応用すれば、ストローで吸うことで腹横筋が鍛えられる。
水やお茶でも良いが、ある程度の固さがあるミルクシェイクなどを吸うとより効果があるという。
また、お風呂タイムにできるお腹を凹ますトレーニングもある。
「産後の腰痛に悩む女性には、お風呂の中でお腹を膨らませたり凹ます運動を勧めています。腹横筋が衰えているとお腹を凹ますのが難しいので、水圧を利用してトレーニングすると比較的楽にできます」
最近は若者でも、ストローで冷たいミルクシェイクが吸えなかったり、ラーメンがすすれないなど“吸う力”の低下が問題になっているという。
筋肉は使い過ぎても、使わなくても衰えてしまうもの。
「わき腹プッシュ」で腰痛を予防し、「ストロー飲み」や「お風呂トレーニング」で腰回りの筋肉を鍛える。
日々のちょっとした努力で体の不調は防げるのかもしれない。
高林孝光(たかばやし・たかみつ) アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長。1978年東京都生まれ。はり師・きゅう師・柔道整復師の資格をもつ。アスリートに最大限のパフォーマンスを発揮させる「運動機能評論家」。雪印メグミルクの「かんたん骨(コツ)体操」の考案・指導者。主な著書に「身長は伸びる!」(自由国民社)、「足が速くなる解剖図鑑」(エクスナレッジ)などがある。
アスリートゴリラ鍼灸接骨院のホームページhttps://www.hiza2.com
