2025年7月に行われた参院選は憲法に違反しているとして、北海道の有権者が北海道選挙区の選挙無効を求めた訴訟で、札幌高裁は11月10日、「違憲状態」と判断しました。
選挙の無効請求は棄却しましたが、「3倍程度の最大格差は軽視できない」「立法府はただちに是正すべきだ」などと国会に対応を求めました。
原告弁護団の弁護士は「今の状態がいかにおかしいのかということを示してくれた。丁寧でいい判決だったと思っている」と高く評価しました。
7月の参院選を巡っては、1議席当たりの有権者の数、いわゆる「一票の格差」が最大で3倍以上となり、憲法違反だとして、選挙の無効を訴える裁判が全国で相次いでいます。
「一票の格差」は最少の福井県の1票の価値を「1」とすると、北海道内の有権者の1票の価値は「0.42票分」でした。
11月10日の判決で札幌高裁は、選挙無効の請求は棄却しましたが、国民一人一人の投票価値は平等でなければならないとして「違憲状態」だと判断しました。
「一票の格差」を巡っては、これまでに全国で今回を含めて11件の判決が出ていて、違憲状態は7件、合憲が4件となっています。