大相撲九州場所の熱戦が9日始まった。23日の千秋楽には、幕内最高優勝の力士に対し「内閣総理大臣杯」が贈られ、慣例では首相または首相代理として官房長官などが土俵に上がり、優勝力士に手渡す。
一方、大相撲で土俵の上は「女人禁制」とされていて、過去には女性初の官房長官となった森山真弓氏が首相代理として総理大臣杯を、女性初の大阪府知事となった太田房江氏が大阪府知事賞を、それぞれ土俵上で授与したいとの意向を示したものの、実現しなかった。
日本相撲協会は、土俵上を「女人禁制」にし続けていることについて、相撲の起源が神事であることや伝統文化であることなどを理由として挙げるとともに、「けっして女性差別ではない」としている。
“ガラスの天井”を破って憲政史上初の女性首相となった高市首相は、大相撲の慣例をも打ち破って内閣総理大臣杯を土俵上で授与するのか。
7日午前の会見で政府の対応を問われた木原官房長官は、「大相撲九州場所の千秋楽における政府の対応は、何ら決まっているものではない」と述べるにとどめた。
一方で木原長官は、「総理は伝統文化を大切にしたいという意向をお持ちだ。こうした総理のご意向を踏まえ、政府としてしかるべき対応を検討する」とも述べ、九州場所千秋楽の総理大臣杯授与に際し高市首相自身が土俵には上がらない可能性を示唆した。