26年前に起きた名古屋市主婦殺人事件の容疑者が10月31日、逮捕された。
未解決事件が大きく動いたことを受けて、大分県別府市で起きたひき逃げ事件の遺族が現在の心境を明かしてくれた。
2022年に発生した2人死傷のひき逃げ事件 未解決のまま3年経過
2022年6月、大分県別府市の交差点でバイクに乗っていた男子大学生2人が軽乗用車に追突され死傷した。警察は現場から逃走した八田與一容疑者を、全国で初めて道路交通法違反ひき逃げの疑いで重要指名手配に指定し、行方を追っている。

名古屋の未解決事件の容疑者が逮捕されたことを受け、遺族がコメント
そうした中、1999年に発生した名古屋市主婦殺人事件が2025年10月31日、大きく動いた。安福久美子容疑者69歳が逮捕されたのだ。
安福容疑者は八田容疑者と同様に最大で300万円が支払われる「捜査特別報奨金」の対象となっていた。
未解決事件の容疑者が逮捕されたことを受けて別府市で起きたひき逃げ事件で亡くなった大学生の母親がTOSの取材に応じてくれた。

なぜ私たちはこんなにも待たされなければ…
<別府ひき逃げ事件の遺族(亡くなった大学生の母親)コメント全文>
【名古屋の主婦殺害事件の容疑者が出頭したとの一報を聞いた時、本当に、驚きました。
まず最初に、被害者の夫である高羽さんの「絶対に真相究明を諦めない」という強い気持ちがついに実を結んだと思いました。
26年の時を経て事件が動いたことは、同じように苦しんでいる人たちにとってどれほどの希望になったでしょう。心から「お疲れ様でした」とお伝えしたいです。
と同時に、どうして今になって出頭したのか、逃亡生活に疲れたのか、と疑問がわきました。
その後、真実が少しずつ明らかになり、こんなに近くに容疑者がいたのに、どうしてこんなにも時間がかかってしまったのだろうと思うようになりました。
なぜ私たちはこんなにも待たされなければならないのでしょうか。
26年前から比べると、防犯カメラの設置台数は何倍にも増え、機能や精度も圧倒的に進化を遂げているはずです。
そして、何より日本の顔認証技術は世界一です。
防犯カメラの顔認証導入などで指名手配犯を追い詰めることがなぜできないのでしょうか。
なぜだめなのでしょうか。
世界一の技術を持ちながら、その力を日本の安全のために十分に発揮できていないのではないでしょうか。
せっかくの誇れる革新的な技術も、使えないと意味がない、そう思うのです。
日本の安全のために、世界一の技術でおよそ600人いる指名手配犯を捕まえてください。
大切な人を亡くした悲しみは、逮捕されたからといって癒えるものではありません。
次の困難が待ち構えています。
それでも私たちは前に進まなければならないのです。
私たちにも時間は限られています。一日でも早い逮捕を望みます。
そのために、まずは手配犯や行方不明者に限った形で、悲しむ側を救うための法整備を進めてほしいと切に願っています】

これまでに1万1502件の情報が集まるも、依然手掛かりつかめず
八田與一容疑者の行方が分からず未解決事件となっている別府ひき逃げ事件。
大分県警には2025年10月末時点で、これまでにあわせて1万1502件の情報提供が情報が寄せられているが、依然として手掛かりはつかめていないという。
八田容疑者に関する情報の提供先は別府警察署0977-21-2131。

