大殿筋を鍛えることは、腰痛予防に加えて、ヒップアップの効果も期待できるので、日中でも寝る前でもいつでも良いので、次の2つの筋トレに挑戦してみよう。

「脚上げ」と「後ろ歩き」

(1)脚上げ

床やベッドにうつ伏せになり、膝を30度程曲げて片脚ずつ30回上げ下ろしする。

「大殿筋は股関節が15度以上伸展された時に働く筋肉です。うつ伏せになり、膝を30度程曲げて片脚ずつ30回上げ下ろしをします。

脚を伸ばしたままやるとハムストリングス(もも裏の筋肉)にも負荷がかかるので、膝を曲げることで大殿筋だけを鍛えることができます」

大殿筋を鍛えるトレーニング
大殿筋を鍛えるトレーニング

(2)後ろ歩き

大殿筋は股関節が15度以上伸展しないと働かないため、普通に歩いているだけではあまり効果がないが、「後ろ歩き」をすれば鍛えられるという。

「後ろ歩きをすると、お尻が15度以上後ろに引き上がるので筋肉が付きます。ランニングやスクワットなどハードなトレーニングをしなくても、後ろ歩きだけでも鍛えられるんです。

筋トレで大事なのは回数でも負荷でもなく『角度』です角度が正しくないとせっかく筋トレをしても効果はありません。

トレーニングをする時は常に『角度』を意識しましょう」

「腰の捻り」も注意

最後に、雪かきや浴槽洗いなどで起きる「腰の捻り」にも注意してほしいと高林院長は話す。

「腰椎は骨の仕組み上、前後、左右の動きは大丈夫ですが、捻ると関節同士がぶつかって炎症を起こします。そのため、捻る動作を繰り返すと腰痛が起きます。

雪かきはまさにこの動作の繰り返しです。足を固定したまま上半身をかがめたり捻ったりして作業を行うため腰に大きな負担がかかります。

少しでも負担を減らすためには、上半身だけを捻るのではなく、足も一緒に同じ方向に動かして作業するといいでしょう」

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

この動作は床に置いてある荷物を持ち上げて横に移動する時も同じだ。
なるべく体の向きにあわせて足も一緒に動かすよう意識すれば腰への負担は軽くなる。

腰痛は、「座り方」「体の使い方」「角度を意識した筋トレ」で予防できそうだ。

それでも痛みが出てしまった時は、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛など専門的な治療が必要なこともあるので、医師に相談しよう。

高林孝光院長
高林孝光院長

高林孝光(たかばやし・たかみつ) アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長。1978年東京都生まれ。はり師・きゅう師・柔道整復師の資格をもつ。アスリートに最大限のパフォーマンスを発揮させる「運動機能評論家」。雪印メグミルクの「かんたん骨(コツ)体操」の考案・指導者。主な著書に「身長は伸びる!」(自由国民社)、「足が速くなる解剖図鑑」(エクスナレッジ)などがある。

アスリートゴリラ鍼灸接骨院のホームページhttps://www.hiza2.com

『身長は伸びる!』(自由国民社)
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