「床に座る時は、片方の足を曲げて座ると腰痛を予防できます。
両足を伸ばしていると腰の筋肉は常に緊張状態にあります。片方の足を曲げたり、あぐらをかくと、腰回りの筋肉が緩みます」
片足を曲げて座る
高林院長によると、長座をやめただけで腰痛が改善した患者も多くいると言う。
「こたつやホットカーペットだけでなく、布団の中で両足を伸ばして座り、本を読んだり携帯をいじるのもダメです。こうしたクセを見直すだけでも腰への負担はだいぶ減ります」
しかし、そもそもなぜ座っているだけで腰痛が起きるのか。
それはお尻の筋肉である「大殿筋」と深い関係があるという。
「われわれは座っている時、腰の筋肉と大殿筋を使って姿勢を保っています。
腰の筋肉を50%、大殿筋を50%使えていたら、負荷を均等に分散することができるので腰痛は起きにくいです。
しかし日本人は『世界一座る時間が長い国民』とも言われていて、大殿筋が衰えている人が多く、50%を支えられていません。大殿筋で支えられない分は腰への負担となります」
つまり、大殿筋が弱り、お尻で30%しか支えられなくなると、座った時の腰への負担は70%に増えてしまうのだ。
これが腰痛の主な原因だという。
大殿筋の衰えは、高齢者に限らず、30~40代の女性もすでに始まっている。
「『最近お尻が垂れてきた』と思っている人は要注意です。ここから紹介する大殿筋のトレーニングをやってみてください」
