「おすしがふくをかいにきた」
「こちらのネタ、お客様にお似合いですよ!」
そんな会話が聞こえてきそうな『おすしがふくをかいにきた』
「日頃の疲れも洗い流そう」
歯ブラシやヘアブラシがある洗面台を水辺の風景に見立てて、バカンスを楽しむ人々を描くその名も『日頃の疲れも洗い流そう』

ユニークなアイデアの謎を探る
日用品とミニチュア人形を組み合わせ、『コーンなバッグはいかがでしょう?』。
ダジャレも交じえながら日常風景の一コマに見立てるアート、「田中達也展みたてのくみたて」が愛媛県松山市の県美術館で開催されていて、話題を集めている。
ミニチュア写真家で見立て作家の田中達也さんと一緒に作品を見て回りながら、ユニークなアイデアがどこから湧き出てくるのかその謎を探る。

ミニチュアを大きくした”見立て作品”はフォトスポット
愛媛県美術館で3回目となる田中さんの作品展。約160点が並ぶ会場で迎えてくれるのが、スイーツやパンの家具に囲まれた『甘い生活』、メガネを自転車に見立てた『メガネでかけ回る』などの世界が等身大で再現された作品。
田中達也さん:
「こういう大きい作品にしたものもありまして。ミニチュアがあるんですけど大元になってる作品はこれ」
曽我部愛麗キャスター:
「ミニチュア作品が実物大に。実際に作品の世界観に入ったような写真がとれるスポットですね。」
見立ての世界の一員になれる貴重な体験は今回も大人気で、みなさん、大興奮です。

”つまようじ”のサウナで整う
続いて案内されたこの作品、タイトルは「爪楊枝をととのえました」。
曽我部キャスター:
「こちらはつまようじですか?」
田中達也さん:
「つまようじをドラムサウナに見立ててます。つまようじをきれいに整えたので爪楊枝を整えてサウナに整う」
身近なものの見方を変え、面白さを表現する田中さんの『見立ての世界』、どんな時に思いつくのか田中さんに聞いてみた?
田中達也さん:
「家で何気につまようじの束を見てると思うんですけど、こういう風にみると色んな想像が膨らむと思うんです」
曽我部キャスター:
「私たちが日常的に使っているものが作品になっていると改めて感じます」

「楽器で奏でる食のハーモニー」
こちらの作品で使われているのは楽器のフルートとクラリネット。
それぞれ穴を押さえる「タンポ皿」と呼ばれる部分をフライパンに見立て、忙しく調理する様子を表現している。
曽我部キャスター:
「細かいところまで工夫されてるんですね」
田中達也さん:
「音楽で表現してるので“楽器で奏でる食のハーモニー”。タイトルも言葉を見立てて、どういうタイトルか考えながら見るのも面白い」

斬新なアイデア作品のテーマ性も魅力のひとつ
日用品とミニチュアを合わせた斬新なアイデア作品だが、時にダジャレをきかせたユニークなテーマ性も魅力のひとつ。
田中達也さん:
「作品ももちろん魅力的だと思うんですけど、それ以上にやはり説明の文章。自分が日々考える中でどうしてこのようなことを考えついたのかさかのぼって説明にしているので、そこに注目して見てもらえるとすごく納得いくと思います」
作品展には連日多くの人が訪れ、アイデア作品と田中さんの無限の発想に魅せられている。
「田中達也展みたてのくみたて」は、愛媛県美術館で12月14日まで開かれている。

