抜群の運動能力を誇る紀平は、練習からわずか数週間で形にして見せたという。
「ものすごく覚えるのが早いねってみんなビックリしていて、驚いている」と西山。
リフトの練習中も「楽しくなっちゃった」と持ち上げられた状態で笑い続ける紀平に、少しあきれていた西山だったが、「持ち上げられるのを怖がらずにできるのはめちゃくちゃいいこと」と称賛した。
「ものすごいスピードで成長して、やってみたら意外といけるかなって。1カ月経って全部のエレメンツを入れて通し練習をして、2週間後の予選会に希望が見えました。梨花ちゃんじゃなかったら、予選会に間に合わせることはできなかったと思います」(西山)
一方、紀平は「自分の中ではまだ難しいことも多くて完璧にはできないない。けれど、今までスケートを続けてきた体力やいろいろなことが重なって今につながっていると思う。理想の演技にはまだまだ届いていませんが、頑張って覚えてやっていたのが先生たちにも良い印象を持ってもらえてうれしい」と語った。
世界のトップアイスダンサーに囲まれて練習する日々に、紀平はシングルとの違いを痛感しながら「お互いの息を合わせてぶつからないように滑らなきゃいけないですし、ターンの正確さもすごく厳しい」と学びが多いという。
シングル経験のある西山も「スケーティングやターンも、シングルとは違う次元の難しさがある。常に踊って常に表現する部分を意識しないといけないのはシングルと違うところかと思います」と話した。
さらにもうひとつ重要な技が、2人同時に片足で回転する「ツイズル」。男女のシンクロが得点のカギを握る。
コーチも驚いた紀平のツイズル
2人のコーチは、パートナーの西山を含め数々のアイスダンサーを指導してきたロマン・アグノエル氏。
