外交官ナンバーの車による駐車違反が常習化し、日本政府の対抗措置が一部の国に無視されている実態が、FNNの取材で明らかになった。外務省が各国の大使館に送った240枚の内部文書を独自を分析すると、制度の課題が浮き彫りとなった。
違反への対抗策も「無視」
240枚に上る文書。日本政府が、国内にある外国の大使館に宛てて送った、いわば“警告書”だ。

青色のプレートの外交官ナンバーによる駐車違反は、最近も、都心で目撃されている。
頻繁に繰り返す悪質な車について、外務省は「ガソリン免税を取り消すことになる」と支払いを催促したが、一部の国が取った対応は…「無視」だった。

駐車違反に「だから何?」
記者:
外交官ナンバーの車。東京の大通り、飲食店の前で駐車違反をしています。パーキングチケットを使ってますが、過去の日付ですね。今日のものではないです。

束のように置かれたパーキングチケット。示されているのは「9月16日」のもの。
しかし、取材したのは19日で、3日前のものだ。
記者:
運転手は乗っていますが、外交官ナンバー4台が並んで駐車違反をしています。左側が通れなくなっていて邪魔になっています。
運転手がいれば、5分以内の積み卸しなどの場合は、駐車違反とはなりませんが、4台とも長時間の駐車だった。
外交官ナンバーの車をめぐっては、高速道路の路肩や、バス専用レーンの走行など、国を問わず法令違反をする様子が映像に捉えられてきた。

なかでも目につくのが駐車違反だ。
記者:
駐車違反ですよね?
南アジアの国の運転手:
はいはい、だから何?そこで食事していたんだ。名刺をよこせ、訴えてやる!

外交官ナンバーの車も駐車違反のステッカーは貼られるが、外交官は、違反金を支払わず無視してもウィーン条約に基づく外交特権で、刑事・民事ともに裁かれず裁判や差し押さえを免除される。
