午前9時半ごろの東京・元赤坂にある迎賓館で、少し緊張した面持ちで待つ高市首相。
そこに姿を見せたのが、アメリカのトランプ大統領。
高市首相は、「大統領、ようこそ日本へ。おかえりなさい」と大統領を迎えた。
笑顔で握手を交わした2人はその後、自衛隊による栄誉令を受けた。

初の対面の日米首脳会談は和やかなムードで

そして午前10時前、対面では初めてとなる日米首脳会談がスタートした。

ワールドシリーズ観戦で開始が遅れたと明かした高市首相
ワールドシリーズ観戦で開始が遅れたと明かした高市首相
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その冒頭、高市首相は「開始が遅れまして失礼いたしました。今トランプ大統領の部屋で野球を見ておりました」と、ドジャース・大谷翔平選手が出場するワールドシリーズの試合を一緒に見ていたことを明かし、会談は和やかなムードで始まった。

高市首相:
安倍元首相からよくトランプ大統領のダイナミックな外交について話を聞いていました。日本とアメリカをより強く、豊かにするために、日米同盟の新たな黄金時代をトランプ大統領とともに作り上げていきたいと願っております。ありがとう。

「われわれは最高の同盟国だ」とトランプ大統領
「われわれは最高の同盟国だ」とトランプ大統領

トランプ大統領:
安倍氏もきっととても喜んでいると思うし、アメリカを代表して祝意を伝える。この関係はこれまで以上に強固なものになると確信している。日本の役に立てることは何でも知らせてほしい。われわれは最強の同盟国だ。

会談で高市首相は、防衛費増額への決意を伝え、拉致問題解決への協力も求めたものとみられる。

さらに、“タイとカンボジアの停戦に成功しアジアの平和に貢献した”などとして、高市首相が「ノーベル平和賞にトランプ大統領を推薦する」と伝えたことも明らかになった。

署名式後握手を交わしたトランプ大統領と高市首相
署名式後握手を交わしたトランプ大統領と高市首相

会談後、両首脳は日米の関税合意と重要鉱物分野での協力に関する文書に署名し、署名式の終わりでがっちり握手を交わした。

急きょトランプ大統領が北朝鮮拉致被害者の家族らと面会

そして昼食を終えた午前11時45分ごろから、北朝鮮による拉致被害者の家族らと面会した。

北朝鮮拉致被害者の家族らと面会したトランプ大統領
北朝鮮拉致被害者の家族らと面会したトランプ大統領

トランプ大統領:
皆さんご存知の通り、私は以前もこの場所にいたことがある。この問題はもう何年も続いている。アメリカはずっとご家族と共にある。われわれは常にこの問題について考えている。これは安倍晋三から始まり、今は高市首相が引き継いだ。われわれははできるかぎりのことをする。

13歳で拉致された横田めぐみさんの母・早紀江さんは89歳。
めぐみさんの弟・拓也さんは家族会の代表を務めている。
有本恵子さんの父・明弘さんは2月に96歳で亡くなり、28日は恵子さんの姉・北谷昌子さんが参加した。
高齢化で“代替わり”が進む家族会。
28日の面会相手は当初、ルビオ国務長官の予定だったが、急きょトランプ大統領も出席することに。

拉致被害者家族会・横田拓也代表
拉致被害者家族会・横田拓也代表

拉致被害者家族会・横田拓也代表:
面会が実現できたというのは、個人的な信頼の絆がはかれた高市首相のお力を得てのことだと思っています。(トランプ大統領の)この問題解決のために向き合うという姿勢や感情をすごく正面から受け止めることができましたので、しっかりと問題解決に、具体的な動きに転じてほしい。

ヘリに“相乗り”し横須賀のアメリカ軍基地へ

そして28日午後3時50分ごろ、高市首相とトランプ大統領は同じヘリコプターで、神奈川・横須賀市のアメリカ軍基地に到着し、軍創設の記念行事で演説を行った。

トランプ大統領は、原子力空母「ジョージ・ワシントン」で演説し、兵士らを激励したあとで、日米同盟について、「太平洋における平和と安全の礎だ」と重要性を強調した。
そして、高市首相を壇上に呼んで、日本初の女性首相だと兵士らに紹介したうえで「勝者」だとたたえた。

アメリカ軍横須賀基地で演説する高市首相
アメリカ軍横須賀基地で演説する高市首相

高市首相も「まず何よりも日夜、わが国と地域の平和と安全のために尽力してくださっている自衛隊員、そして在日米軍の軍隊の皆さん・軍人の皆様に心から敬意と感謝をささげます」と演説し、日米同盟の強化と自由で開かれたインド太平洋の推進に向けた決意を語った。
(「イット!」10月28日放送より)

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