保湿剤を塗ることで皮膚に水分を浸み込ませたり、水分が逃げないようにカバーすることができる。

その種類は大きく分けて3つ。

保湿剤の主な種類(日本フットケア・足病医学会提供)
保湿剤の主な種類(日本フットケア・足病医学会提供)

ローションとクリーム、ワセリンで、特徴は異なるがどれを使っても基本的にOKだ。

ただし気をつけてほしいのは“塗るタイミング”。

「入浴時にしっかり足を洗って、キレイな状態にしてから塗ってください。前日に塗った保湿剤が足に残ったままだと古い保湿剤が積み重なってしまい、汚れの原因になります」

保湿剤は足が乾く前に

また、洗った後にできるだけ早く塗ることも重要だ。

「足が乾くと、元々かかとにあった水分も一緒に気化してしまいます。入浴後のまだ足が湿っている状態で塗るように心がけてください」

なお保湿剤を塗る際の量は、片足分でローションなら手のひらに1円玉程度、クリームやワセリンなら人差し指の1関節分が目安になる。

保湿剤を塗る量の目安(日本フットケア・足病医学会提供)
保湿剤を塗る量の目安(日本フットケア・足病医学会提供)

「せっかくなので、かかとだけではなく爪の先まで、足全体を保湿しましょう。爪の溝などは塗った保湿剤が残りやすいので、念入りに洗い流してから塗り直してください」

また効果が実感できない場合、他の種類の保湿剤を試すのもお勧めだ。

それぞれの特徴を端的に表すと「ローション=皮膚に水分を与えるも保湿力は続きにくい」「クリーム=ローションより油分が多く保湿が長持ち」「ワセリン=油性成分のみで皮膚の保護効果が高い」となる。

「ひび割れ」は優しく削るのが正解

すでにガサガサしている場合でも、入浴後の保湿ケアを繰り返せば潤いは取り戻せる。

しかし、ひび割れまで進んでしまっている場合は別の対処が必要になるという。

「ひび割れは肌を覆う角質が硬くなってしまい、肌本来のバリア機能が衰えている状態です。放っておくと感染症になるリスクもあるので、症状が進行してしまう前に角質を優しく取り除くのが安心です」

お勧めは入浴後に“角質ファイル”という足用のヤスリを使う方法だ。

角質ファイルを使う際は一方向に(日本フットケア・足病医学会提供)
角質ファイルを使う際は一方向に(日本フットケア・足病医学会提供)

【硬くなった角質を取る手順】
1.洗った後に水分を拭き取る
2.角質ファイルをかかとに当てて一方向に動かす(ゴシゴシと擦らない)
3.10秒程度でストップ
4.保湿剤を塗る

「重要なのは“力を入れすぎない”ことです。また、軽石などの目の粗い道具を使ったり、長時間擦り続けたりしてしまうと、かえって傷つけてしまうこともあります。ひび割れが改善するまで一度につき10秒ほど、週に1〜2回ペースで根気強く続けるように心がけてください」