小泉防衛相は28日、秋田県などでクマによる人身被害が相次いでいることを受け、駆除のため自衛隊の派遣を要請する動きについて、「要望の内容に基づいて、国民の命と平和な暮らしが脅かされている状況に何が出来るのか、速やかに検討し、できることから進めていきたい」と述べ、対応を検討する考えを示した。
その上で過度な業務への懸念に関して「自衛隊は何でも屋ではない」とも述べ、通常の国防や訓練などに支障がない範囲で対応すべきだとの意向を示した。

小泉大臣は記者会見で、「秋田県内でクマによる人身被害が続いていることを受け、秋田県の鈴木知事がご自身のインスタグラムまた様々な場で、自衛隊派遣を要望すべく調整していると表明されたことは承知している」と述べた。

そして「私自身、電話で鈴木知事ともすでにお話をしている。有害鳥獣対策については、防衛省自衛隊はこれまでも地方自治体からの協力要請に基づき任務遂行上支障のない範囲で必要な協力を行っており、具体的には自衛隊法第百条に基づいて、捕獲した鳥獣の輸送支援を実施したなどの実績がある」と指摘。その上で「本日、この後、鈴木知事からツキノワグマによる、被害防止対策への支援にかかる緊急要望を私が直接お受けする予定だが、いただいた要望の内容に基づいて、国民の命と平和な暮らしが脅かされている状況に何が出来るのか、速やかに検討し、できることから進めていきたい」と述べた。

小泉大臣はさらに「特に秋田県の状況を見てみれば間違いなく、県民の皆さんの命が失われている。そして、平和な暮らしも今脅かされているのは間違いない。この状況の中で自治体・知事の要請に基づく中で、何ができるかを考えることは、私は当然のことではないかと思う。鈴木知事は自衛隊の元隊員でもある。今回、私もお話をさせていただく中で、自衛隊は何でも屋ではありませんから、やはり本来業務が、いざ万が一の時に備えて、訓練なども含めて練度を高めておくことが最重要であること、国防が最も重要なことであることはご理解された」と強調した。

その上で猟友会などの疲弊と住民の不安に言及し、「知事からも駆除を自衛隊にやって欲しいということではなく、駆除に伴う負担が相当現場の疲弊につながっていることを踏まえ、やむにやまれず自衛隊にという思いだと伺っているので、今日はこの後、具体的に思いも含めてお伺いをしながら、担当間で詰めて、そして迅速にできることから始めるというのが私の基本的な思いだ」と、自衛隊による対応を検討する方針を示した。

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