高校生、大学生の自由な発想が宇宙へ。
宇宙ビジネス人材育成プログラムの発表会が行われました。
21日、東京・日本橋で開催された高校生や大学生を対象にした宇宙教育プログラム「宇宙教育プログラム 実験結果報告会」。
東京理科大学と宇宙ビジネスに力を入れる大分県が中心となり、将来、宇宙産業をけん引する人材の育成を目指す取り組みです。
宇宙ビジネスは成長を続ける一方で、人材不足が浮き彫りとなっています。
国内の宇宙産業の市場は現在約4兆円規模になっていて、政府は2030年には約8兆円規模へ拡大することを目標としています。
ただ、日本の宇宙人材は1995年の約1万人をピークに、現在は9000人ほどまで減少しています。
課題の解決に向け若い世代の宇宙への興味を高めようと、2025年6月からプログラムをスタート。
この日は半年を締めくくる成果の報告会です。
過酷な宇宙空間での“癒やし”についてをテーマに研究したチームは、性質の違う2色の液体を水の入った瓶に注入することで色の広がりを検証。
宇宙滞在時に心が休まるアート作品を目指します。
実験の成果を発表した後は、どう宇宙ビジネスに生かしていくかについても説明。
提案からビジネスプランまでのプロセスを経ることで、新たな価値を生み出す力を高めます。
学生の発表を見守った元宇宙飛行士の向井千秋さんは「私はこれまで宇宙実験やってきた中でそういう日本的な文化の観点はなかったので、ものすごく感激しました」と話しました。
他にもシャボン玉を使った実験や、宇宙では貴重な水の効率的な回収法の発表も行われました。
大学3年生:
もっと宇宙が身近になったなと。ビジネス的な面で宇宙と携わっていける将来もすごく良いなと思って、そういうのを考えています。
国東高校2年生:
これから宇宙での生活が当たり前になったときに、教育がすごく必要になると感じていて、宇宙でうまく教育ができるかに視点を向けていきたい。
東京理科大学と大分県は2026年度もプログラムの開催を予定していて、4月から募集を開始するということです。
東京理科大学・創域理工学部 木村真一教授:
(プログラムを通じて)将来宇宙(産業)を引っ張っていってくれる、そういう人材がたくさん出てきてくれると私は信じていますし、そうあってほしいと思う。