FNNが20日と21日に実施した世論調査で、高市内閣の支持率は75.9%と、政権発足以来最も高くなった。
補正予算成立、ガソリン暫定税率廃止、"年収の壁"の178万円への引き上げなど、臨時国会での審議を経て変化が現れた各党の支持率など、調査の詳細を分析する。
内閣支持率…期待→様子見→成果でいずれも7割超の評価
高市内閣を「支持する」と答えた人の割合は回答者全体の75.9%だった。

18~29歳(92.4%)、30代(83.1%)で8割を超えた一方、70歳以上では65.9%にとどまり、概ね若い世代ほど支持率が高い傾向となった。
性別・年代別では、30代男性(90.0%)と18~29歳女性(95.5%)で9割を超える特に高い支持が見られた。
高市内閣発足直後に行った10月調査での内閣支持率75.4%は、憲政史上初の女性首相に対する「期待値」(人気)と見ることもできた。
国会で予算委員会が続いていた11月は、高市首相の「台湾有事」答弁後の調査だったが、中国の在大阪総領事が不穏当な言葉で高市首相を攻撃したことへの日本国内の反発も手伝ったか、内閣支持率に特段の影響は出ず75.2%だった。
そして今回、12月調査での内閣支持率は政権発足以来最高の75.9%。

「高市内閣を支持する」と答えた人に最も評価する取り組みを尋ねたところ、「物価高など経済政策」が40.2%で最多となったことからも、2カ月近くにわたった臨時国会における高市政権の「仕事ぶり」(政策とその実現能力)が、7割超の有権者の支持を得たと言えるかもしれない。
この「高水準での横ばい」をいつまで維持できるのかは、年明け以降の一つの注目点になる。
臨時国会での「仕事ぶり」アピール度で各党支持率に変化か?
政党別支持率は、自民党が30.6%で、石破政権発足直後の2024年10月調査以来の30%台回復となり、高市政権人気が党の支持率も引き上げた形だ。
一方、自民と連立を組む日本維新の会の支持率は3.8%で、11月調査と同じ値となった。
与党の一員として補正予算を成立させ、自らが主張する衆院議員の定数削減法案も国会提出までこぎ着けたが、有権者から高い評価を得たとは言えない。
維新が、連立与党とはいえ閣僚を出さない「閣外連立」の形をとっていることで、与党・維新の「仕事ぶり」が有権者に届いていない可能性がある。
野党の支持率は、立憲民主党が4.5%で前月より0.8ポイント下がったのに対し、国民民主党は5.7%で11月より1.7ポイント上がった。
野党各党が一致して求めてきた「ガソリン税の暫定税率廃止」や「所得制限なく子ども1人あたり2万円を現金給付」などの政策を実現しても立憲の支持率が上がらない一方、自公連立政権当時から3党合意を結んで国民民主が働きかけてきた「所得税課税最低限の178万円への引き上げ」の実現が有権者の印象に残ったとしたら、「手取りを増やす」と言い続けてきた国民民主の「発信力」の勝利という一面もあるかもしれない。
「おこめ券」の不人気際立つ結果に
政府が、食料品の価格高騰対策として自治体に交付する重点支援地方交付金について、希望する給付の形を尋ねたところ、「現金」(26.0%)、「水道など公共料金の減額」(25.8%)、「地域で使えるプレミアム付き商品券や電子ポイント」(24.5%)の順に多かった。

一方、政府が自治体に推奨する「おこめ券」を希望した人は、3.4%にとどまった。
「おこめ券」を希望する人は、北海道ブロック(8.3%)、東京都ブロック(6.5%)、近畿ブロック(5.4%)で若干多かったが、それぞれの最多を見ると北海道ブロックは「現金」(31.6%)、東京都ブロックは「水道など公共料金の減額」(27.1%)、近畿ブロックは「地域で使えるプレミアム付き商品券や電子ポイント」(30.6%)で、むしろ回答者全体の15.6%が「配布は不要」と答えたことからも、希望者が「3.4%」だった政府推奨「おこめ券」の圧倒的な不人気ぶりが際立つ結果となった。
与党の議員定数削減法案に国民民主と参政の支持層も「賛成」多数
衆議院議員の定数削減について、与野党の協議で1年以内に結論が出なければ小選挙区で25議席、比例代表で20議席を自動的に削減するとした自民と維新の法案への「賛成」は、回答者全体の69.7%だった。

自民支持層の81.1%、維新支持層の95.7%が「賛成」と答えたほか、国民民主(66.8%)、共産(49.9%)、参政(88.4%)などの支持層でも「賛成」が多数を占めた。
一方、「反対」が多数となったのは、立憲(38.6%)、公明(61.6%)、れいわ(51.8%)などの支持層で、回答者全体で「反対」は23.5%だった。
