高市内閣で初入閣した鈴木憲和農林水産大臣は、21日に初めての閣議に臨んだ。そして22日、小泉前大臣から引き継ぎを受けると、鳥インフルエンザ対応などさっそく精力的に動き出した。

(鈴木憲和農水相)
「特に水田で行う農業は1年で一作。なかなか簡単に方向転換することは難しい。生産現場のみなさんにとっては、先の見通せる安心感のある農政、ころころ変わるのではなくて、一つの道筋を示していきたい」

鈴木憲和農林水産大臣は、21日夜、皇居で行われた認証式に臨み、その後、高市新内閣が発足すると初めての会議に出席した。
そして一夜あけ、農林水産省に初めて登庁した。

(鈴木憲和農水相)
「おはようございます。ご指導よろしくお願いします。どうぞ古巣へ」

(小泉前農水相)
「おめでとうございます。それって新大臣にとっても古巣じゃないですか(笑)」

さっそく、小泉前農水大臣から業務の引き継ぎを受けた。
この2人、実は同じ学年なんだそう。

(鈴木憲和農水相)
「生産現場・消費者の気持ちは今、大変難しい局面。これまでやってもらったこともよく踏まえて、私なりに日本の国民のために努力したい。今後のメディア対応のあり方も含めて、指導してもらえたらと思う」

(小泉前農水相)
「あんなにたくさんやらない方がいい。マイペースでやってください」

しかし、大臣就任早々、次々と仕事が舞い込む。
北海道白老町の養鶏場で鳥インフルエンザが確認され、22日朝、緊急で開かれた対策会議に出席。
防疫措置や、発生予防に向けた衛生管理の徹底を指示した。

その後、鈴木大臣は就任会見に臨み、今後のコメの生産方針などを語った。

(鈴木憲和農水相)
「国の役割は需要をしっかり作っていくこと。海外も含めマーケットを拡大すること。この努力を第一にしなければいけない。その上で大きくなったマーケットに対し生産を見合った形で拡大していく。生産側からだけで増産をし続けることは現実的には難しい。基本的には需要に応じた生産が原理原則」

鈴木大臣の入閣をうけ、吉村知事は22日に開かれた定例会見で次のように期待を語った。

(吉村知事)
「現場を知る人が農水大臣になったのは非常に望ましいこと。力を存分に発揮して活躍してほしい」

また、県内の農業の現場からは、山積する課題に対し具体的な対応を望む声が聞かれた。

(コメ農家)
「全体的に物価高。生産するまでの原材料の高騰も農家にはダメージ。食べ物の値段だけでなく、全体的な物価高への対策は、農水の視点を持ちながら視野を広く対応してほしい」

(果樹農家)
「毎年安定して再生産できる農政、安定価格になるよう努力してほしい。直近ではクマ対策に有効な手立てがあれば、果樹農家としては安心して収穫できる対策をとってほしい」

そして、鈴木大臣の誕生に喜びひとしおなのが、大臣の地元南陽市の農業法人・黒澤ファームの黒澤信彦さん。
初当選した2012年から支援を続けてきた。

(黒澤ファーム・黒澤信彦さん)
「初めて会った時から『将来、農水相やりたい』と言っていたし、そうなればいいと期待していたので良かった。『僕が将来農水相になったらあんなこと・こんなことをやりたい。黒沢さんも思うことはあると思うが、何かあったら言ってほしい。そのために頑張ります』みたいなことを飲みながら話していた」

農業政策に精通しているのはもちろん、「農業が国を支える」と全国の現場に足を運び、さまざまな課題に向き合ってきた鈴木大臣。

その姿を見てきた黒澤さんは、「未来の農業に新たな道筋をつけてくれるはず」と大きな期待を寄せている。

(黒澤ファーム・黒澤信彦さん)
「この難局を乗り切れるような、しかもコメが話題になっている時期。農家にとっていい方向に向かう政策をとってもらいたい。今の子どもたちが将来農業をしてみたいと思えるような素晴らしい食品産業に、農業を生まれ変わらせてほしい、そういう期待しかない」

さくらんぼテレビ
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