大阪に本社を置く農業機器メーカーのクボタは、来年1月1日付けで現在の北尾裕一社長が退任し、新たに花田晋吾副社長が社長に就任する人事を発表しました。
営業部門の出身者がクボタの社長に就くのは、初めてだということです。
クボタによると、この人事はきょう=22日に開かれた取締役会で決まり、北尾社長は退任後、代表権のある会長に就任します。
社長交代の理由について、クボタは「2026年は次の中期経営計画が始まるタイミングであり、経営トップとして必要な資質・能力を持つ花田副社長を社長として選任し、新たな経営体制で事業を推進していくため」と説明しています。
来年1月1日付けでクボタの社長に就任する花田晋吾副社長は、神奈川県出身の61歳。
1989年にクボタに入社したあと、主に海外事業に従事し、現在は機械事業の本部長なども兼任しています。
きょう=22日午後に開かれた記者会見で、花田副社長は「北尾社長から『後継者候補の1人だ』と告げられ、その後さまざまな手続きを経て正式に社長候補として推挙された。話を聞いたときは驚いたし、自分で大丈夫かなと思ったが、期待されている部分はあると思う」と話しました。
クボタは大阪市浪速区にある現在の本社を、竣工から50年以上が経過して老朽化が進行しているとして2026年5月に「グラングリーン大阪」に移転すると公表しています。
本社移転後の跡地開発について記者から問われた北尾社長は「まだまだ検討していく状況で、何も決まったわけではない。大阪・難波は発祥の地であるので、街の活性化につながることができたらという思いで進めている。(一部報道で出た)アリーナというのも1つの案だが、全くの未知数。これから(地権者として活用案を)募集して、来年春ごろにいい案で決まればと思う」と話しました。