21日午後2時前、ついに迎えたその瞬間。
自民党の高市早苗総裁が、憲政史上で女性初となる第104代内閣総理大臣に選出されました。

少し緊張した面持ちの高市氏。
後ろに座る3人の元首相に頭を下げ、席に着くと、にこりと頬を緩ませました。

歴史的な1日となった今日の永田町。
自民党の高市総裁は、首相指名選挙の直前に開かれた会合で、麻生副総裁と笑顔で言葉を交わしました。

自民党・高市総裁(午前11時半ごろ):
しっかりと政権を取りにいく。一致団結して皆さまのお力添えを心より、心よりお願い申し上げます。力を合わせて、今なんとなく世の中に広がってしまっている不安を希望に変えていこうじゃありませんか!

そして、午後に召集された臨時国会。

迎えた運命の首相指名選挙では、高市氏が投票すると拍手が送られ、麻生氏の投票では拍手に加えてどよめきも。

そして、午後2時前。
高市氏が衆議院の1回目の投票で過半数を獲得し、女性初となる首相の誕生が決まりました。

首相に選ばれた高市氏は各党にあいさつ回り。
国民民主党の玉木代表とは固い握手を交わしました。

玉木代表:
強い日本経済復活するために、私も協力しますから。

記念撮影では、こんな場面も…。

記者:
玉木さん、最後の晴れ舞台だから。

高市総裁:
何言ってるのよ!かわいい弟に。

玉木代表:
安住さんに弟って言われるよりいいな。

一方、連立を離脱した公明党へのあいさつ回りでは…。

公明党・岡本政調会長:
満面の笑顔をつくります。

そこに高市氏が到着。
固い握手を交わしました。

公明党・斉藤代表:
これからしっかりと建設的な議論をさせていただきます。

高市総裁:
はい、お願いします。

そして午後4時前、高市新首相が首相官邸に入りました。

午後4時半ごろ、新たに官房長官に就任する木原稔前防衛相が、高市新内閣の閣僚名簿を読み上げました。

総裁選で戦った小泉農水相(44)が防衛相に、林官房長官(64)が総務相に。
そして、茂木元幹事長(70)が外相に起用されました。

先ほど首相官邸で高市氏と言葉を交わした小泉氏は、「防衛省、自衛隊、25万人の所管とともにこの使命を全うするために、自らの重責をしっかりと認識したうえで、日本の国民のみなさんに安心していただける、そんな仕事をしていきたいと思ってる」と述べました。

出そろった高市新内閣の顔ぶれは、平均年齢は59.3歳で初入閣は10人。
当初、過去最多を目指した女性閣僚の数は2人にとどまりました。

そのうちの1人が、財務相に起用される片山さつき元地方創生相(66)です。

総裁選で高市氏の推薦人を務めた片山氏は、東京大学法学部を卒業後、1982年に当時の大蔵省に入省。
そして21日、古巣にカムバック。

経済政策の鍵を握る財務省のトップに女性が選ばれるのは、片山氏が初です。

片山さつき元地方創生相(66):
経済成長戦略で日本経済を強くすることが一丁目一番地。中低所得者がきつくなっているから、なんとか楽にしていくために、給付付き税額控除の制度設計に着手してほしいと言われたので、これは連立合意であるので、10個目に一番重いのがきまして、すごいですよ、てんこ盛りです。

そして、もう1人起用される女性閣僚が、42歳で初入閣する小野田紀美参院議員です。

経済安保相に抜擢され、新設される、外国人との秩序ある共生社会推進担当相も兼務します。

9年前の参議院選挙で初当選した小野田氏は、父親がアメリカ人で母親が日本人。
総裁選では高市氏の推薦人を務めました。

小野田紀美参院議員(9月):
聞いてもらえば、高市早苗一択というのはわかってもらえるはずですので。

そして、内閣府特命担当相に起用されたのは、初入閣の黄川田仁志衆院議員(55)です。

高市氏の総裁選出馬会見で司会を務め、質問する記者を指名する際、物議を醸す発言が。

黄川田議員(9月19日):
一番奥の机の、顔が濃い…。

高市総裁(9月19日):
顔が濃いて。なんてこと言うんですか、顔が濃いて…。すみません。

高市氏はその場で陳謝しましたが、黄川田氏は次の記者を指名する際にも「逆に手前の、顔が白い、濃くない方」と氏名し、高市氏が「すみません司会者が…」と謝罪。

この会見の直後、黄川田氏は謝罪しました。

引き続き、高市新首相を支えていくことになります。

高市氏の首相選出に、海外からもさまざまな反応が。

ロイター通信は「強硬派の高市氏が勝利。日本のガラスの天井を打ち破る。保守色強まることに」と報じ、中国政府は日本時間午後4時ごろ、「歴史問題や台湾問題などにおける政治的約束を誠実に履行し、日中戦略的互恵関係を全面的に推進することを期待する」としました。

高市新内閣は21日夜、正式に発足します。