10月、全国で一斉に始まった「赤い羽根共同募金」。
広島市の崇徳高校では新聞部が校内アンケートを行い、生徒の7割以上が羽根募金を知っているという結果が出た。身近な善意のかたちを高校生の視点で見つめた。

「赤」「緑」「青」…羽根の色の意味は?

広島市西区の崇徳高校新聞部は高校生目線の切り口や取材力を強みとし、数々のメディアで紹介されている。そんな彼らが今回取り上げたテーマは「羽根募金・高校生の認知度」。

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取材を担当した副部長の竹下世南さん(高校2年)はこう話す。
「今月から赤い羽根共同募金が全国一斉に始まりました。駅で見かけたときに“高校生にどれくらい知られているのか”が気になり、調べてみました」

赤い羽根共同募金は1947年に始まり、地域の社会福祉活動に役立てられてきた。森林づくりのための「緑の羽根」、海で事故に遭った人を助ける「青い羽根」など、羽根の色ごとに支援の対象が異なる。

羽根募金の種類と認知度をまとめた崇徳学園新聞
羽根募金の種類と認知度をまとめた崇徳学園新聞

竹内さんが崇徳高校の生徒を対象にアンケートを実施したところ、「羽根募金を知っている」という回答が約77%。そのうち多く知られているのは「赤い羽根」と「緑の羽根」だった。
「私も小中学生のときに学校で募金をしたことがあります。でも正直、赤と緑しか知りませんでした」
校内限定の調査ではあるが、“羽根募金”は高校生にも身近な寄付活動として浸透している。

知っていても、募金した人は「半分」

7割以上の高校生に認知されている羽根募金。
では、実際に募金をした人はどのくらいいるのだろうか。

竹下さんの調査では、羽根募金を知っていると答えた生徒のうち「募金をしたことがある」が約54%、「ない」と答えた人が約46%でほぼ半々だったという。
募金をした理由を尋ねると「羽根がほしかったから」「募金に協力したかったから」といった声が上がる一方で、募金をしたことがない人からは「いつどこで募金しているのかわからなかった」という答えが目立った。羽根募金以外にも「ユニセフ募金」や「災害の復興支援」などの認知度も高かったという。

「募金の必要性を伝えたい」

取材を終えた竹下さんは「様々なことが起きる世の中だからこそ、募金の必要性を感じています。これからも周りに伝えていきたい」と話す。
今回、羽根募金に着目した高校生の優しさが“眠っている善意”を掘り起こすきっかけになるかもしれない。

筆者の娘も「緑の羽根をつけてみたい」と小学校で募金をしたことがある。みんなが胸に羽根をつけていると自分もほしくなるのだろう。
動機はどうであれ、募金に参加した経験は次の一歩につながる。ふわふわとした羽根は、子どもにとっての小さな勲章なのだ。

(テレビ新広島)

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