公明党の連立離脱から1週間足らず、日本維新の会がキャスティングボートを握る状況に躍り出ました。
関西テレビの番組に出演した吉村代表は、「副首都構想・社会保障」が連携への「絶対条件」と語り、総理指名選挙では「まとまれば高市さん」と話しました。
16日午後5時ごろに終了した自民党との協議の結果について、維新の藤田共同代表は、「大きく賛同できるところも多くあったが、いくつかはもう一度、持ち帰りすり合わせをする」と述べ、あす=17日も協議を続けることを明かしました。
■自民党と日本維新の会が政策協議を開始
午後3時ごろ、自民党の高市総裁と小林政調会長が、幹事長同席のもとで面会したのは。
日本維新の会の藤田共同代表と斎藤政調会長です。
【日本維新の会 藤田文武共同代表】「ちゃんと眠れていますか?」
【自民党 高市早苗総裁】「色んなことで…なかなか」
自民党と公明党が電撃的に連立を解消してから1週間足らず。
日本維新の会が、総理大臣指名選挙で自民党の高市総裁の名を書くのか、連立政権入りとなるのか、注目の協議が始まりました。
■絶対条件は「副首都構想」「社会保障」
そんな中、日本維新の会の吉村洋文代表は、16日、関西テレビの番組に生出演し、総理大臣の指名選挙についても語りました。
【日本維新の会 吉村洋文代表】「絶対条件は、“副首都構想”と“社会保障”です。合意がまとまれば、高市さんですよ」
そして吉村代表は、政策協議のメモを胸元から出し…
【日本維新の会 吉村洋文代表】「全部3枚です。まとまらなければ、我々は合意をしないということになります」
絶対条件とする、東京一極集中の是正を目的とする「副首都」を設置するための法案を可決させること、さらに「社会保険料」を下げる改革の実行など、計12項目の政策を要望したいということです。
仮に、維新が高市総裁の名前を書いた場合、自民党196人と維新の35人で231となり、過半数にあと2票に迫ることになります。
■「連立まとまれば高市と書く」と維新・吉村代表
(Q.具体的な大臣ポストは要求していく?)
【日本維新の会 吉村洋文代表】「ポストが目当てではありませんが、どうやって政策を実行していくか、政策実行の実現軸は常に考えていきます。
『この大臣になりたいねん』とかはないです。きょう中にはまとまらないけれど、20日までに最終判断しなければいけない。
各党の党首とすれば、決断力・判断力が問われている時期に来ていると思います」
(Q.連立がまとまれば1回目で「高市」と書く?)
【日本維新の会 吉村洋文代表】「最終判断していきます、直前に!」
日本維新の会では、総理指名選挙の前日、20日までに決断するということです。
■「自民党も必死のパッチ」と立憲・安住幹事長
一方、総理大臣指名選挙に向け、野党統一候補のとりまとめを模索してきた立憲民主党の安住幹事長は、自民と維新が政策協議に入ったことについて。
【立憲民主党 安住淳幹事長】「(首相指名選挙に向けた)『数合わせだ』と、私もずいぶん批判されますが、自民党も今必死に数合わせをしているんですね。維新がつけば、ギリギリ過半数まで近くなるということで、必死のパッチじゃないですか」
■協議の結果はあすへ持ち越し
自民と維新の協議は、16日午後5時ごろに終了しました。
総理大臣指名選挙での対応は?そして自民党とともに連立政権を樹立するのか?協議の結果を維新・藤田共同代表と自民・小林政調会長が話しました。
【日本維新の会 藤田文武共同代表】「(両党の政策には)大きく賛同できるところや、価値観を一にする所も多くありましたが、いくつかについてはもう一度、持ち帰りすり合わせをするということで、あす(17日)また時間をとりまして、もう一度協議をすると」
【自民党 小林鷹之政調会長】「(両党で)共有できたことは、国家国民のために、一日も早くスピーディーに、必要な政策をお届けするというということが、公党の責任だということ」
あす=17日も協議を続けるという自民と維新。
総理大臣指名選挙が予定されている10月21日まで、与野党の激しい攻防が予想されます。
■高市新総理誕生に向けた動きが加速
自民党と日本維新の会は“連立”になるのか、“連携”になるのでしょうか。
維新が“二本柱”として掲げる「副首都構想」、「社会保障改革」など政策がどの程度合意できるのかが焦点です。
協議後に自民の小林政調会長は「これからも両党で協議を進めていきたい」とし、維新の藤田共同代表は「信頼関係が一段上に進んだ」と話しています。
そして「次の総理大臣は誰になるのか」です。
立憲・国民・維新による協議は継続していますが、基本政策に隔たりがあって停滞しています。
その一方で、自民と維新が急接近して政策協議をスタートしたということで、高市新総理誕生に向けた動きが加速しています。
今後想定される衆議院の勢力図は次に様になります。
衆議院の過半数は233で、自民の196議席に合わせて、維新の35議席が加われば231となります。
ここに他の勢力が高市氏に投票することになれば、1回目の投票で高市総理が誕生する可能性があります。
一方で、自民と国民が連立した場合、そして野党3党による連立した場合と比べてみても、自民と維新の連立の方が安定勢力と言えます。
公明党が連立離脱によって、様々な政権の枠組みが可能性としてはあるという状況です。
“多党化の時代”と言われる中で、本当に国民の方を向いた政治になっていくのかどうかを、注視が必要です。
(関西テレビ「newsランナー」2025年10月16日放送)