特殊詐欺組織が関与したとみられる韓国人の拉致や監禁事件がカンボジアで急増。
韓国政府によると、現在約80人の韓国人が安否不明になっているということです。
写真に写るのは22歳の韓国人大学生。
2025年7月、カンボジアの博覧会に行くと言って1人で現地に向かいました。
しかし1週間後、大学生の家族に脅迫電話がかかってきました。
大学生を韓国に送り返す条件として、日本円で約530万円を要求してきたといいます。
その2週間後、カンボジアで大学生の遺体が発見されました。
死因は拷問などによる心臓まひでした。
大学生の父親:
死亡診断書を見ると胸が痛みます。拷問による心臓まひなんて、どれほど苦しめたのか。
その後、カンボジアの検察は韓国人大学生に対する殺人や暴行などの罪で中国人3人を起訴しました。
一方、カンボジアに向かった20歳の息子、キム・スファンさんと連絡が取れなくなったと話す父親は、スファンさんは「カンボジアで大金を稼げる」などと話していたといいます。
スファンさんの父親:
1カ月働けば1千万ウォン(約106万円)以上稼げると話していた。それで私は「そんな仕事はない」とはっきり言いました。
スファンさんが出国して2カ月後、スファンさんの弟に知らない番号から電話がかかってきたといいます。
スファンさんの弟は「小さい声で『助けてください』と言って何かスファンの声のようだったので『今どこにいるんだ?』と聞いたら『どこ』と言った瞬間、別の人が電話に出て暴言を吐かれた」といいます。
家族が警察に失踪届を提出して2カ月近く経ちましたが、スファンさんはいまだ見つかっていません。
韓国政府によると2025年1月から8月の間に、カンボジアで監禁されるなどした韓国人は約330人に上り現在も、約80人が安否不明だといいます。
李在明(イ・ジェミョン)大統領は「今は何よりも被害者を保護し、また事件の関係者を国内に速やかに送還しなければなりません」と述べました。
韓国政府は行方不明者を救出するための対応チームをカンボジアに派遣するなど、対応を進めています。