脱炭素社会に向けた取り組みです。
宮崎県串間市で水素燃料電池を導入した給餌漁船の実証実験が10月16日から始まりました。
実証実験を前に15日、串間市の福島港で公開されたのは、水素燃料電池給餌漁船「ZERO−E黒瀬」です。
この給餌漁船は、串間市でブリやカンパチの養殖などを手掛ける「黒瀬水産」と「一般社団法人海洋水産システム協会」、「国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所」の3者が、共同で開発しました。
給餌漁船には、水素燃料電池とリチウムイオン電池が搭載されていて、水素16キログラムの充填で、2日間稼働できるということです。
実証実験では、問題なく運航や給餌作業が行えるかといった実用性の検討をはじめ、船の速さや操業可能時間などのデータを収集し、従来のディーゼル船と比較します。
(黒瀬水産 立川捨松代表)
「船舶から出る重油由来のCO2二酸化炭素がひとつの大きな課題になっています。脱炭素の観点からも、今回の実証試験を通じてカーボンニュートラルな養殖業が達成できるのではないかと期待しています」
この取り組みは、水産庁の事業に採択されていて、造船や実証実験などの総事業費は約3億円です。
水素燃料電池を搭載した給餌漁船の実証実験は来年3月まで行われます。