海外からの観光客は愛媛で何を食べる?
小川日南アナウンサー:
「愛媛県松山市の大街道です。外国からの観光客の姿も多く見られます。海外から来たみなさんは夕食に何を食べるんでしょうか。聞いてみます」
Q夕食何食べた?
韓国からの観光客:
「牛丼」
中国・上海からの観光客:
「肉、ラーメン、刺身」
韓国からの観光客:
「鯛めし」

「カップラーメン買いました」外食しない外国人観光客
一方、こんな声も。
韓国からの観光客:
「百貨店で刺身を買いました。今の時間に合わせて行ったら半額で買えるので、その時間に合わせて買ってホテルで食べます」
Qそれは事前に知ってたんですか?
「YouTubeの動画を見て知りました」
韓国からの観光客:
「コンビニでカップラーメンを買いました。夜食で食べます」
タイからの観光客:
Q旅費を抑えるためにどんな工夫をしている?
「時間とお金の節約のためにレンタカーを使っていて、公共交通機関より安いです、たまにコンビニとかも使っています」
韓国や中国からの観光客に聞いてみると意外と多かったのがスーパーやコンビニで購入したもので食事を済ませるという声。
“外食しない観光客”の存在です。

飲食代は観光消費額の2割にとどまる
松山空港と韓国や台湾を結ぶ直行便の好調をうけ、愛媛県への去年の外国人宿泊客数は45万2000人あまりと前年の2.2倍に大幅に増加。一方で観光消費額の内訳を見ると、最も多いのはみやげ物の購入費、ついで宿泊費、交通費と続き、飲食代などは全体の約2割にとどまっています。
こうした“外食をしない観光客”をどう県内の飲食店に引きつけるのか、ヒントとなるのが外国人でも安心して食事が楽しめる店づくりです。

名物「鯛めし」メニューも英語、中国語、韓国語で表記
やってきたのは松山市大街道の鯛めし専門店「かどや」。
外国人観光客の増加をうけ、松山城のロープウェー乗り場のすぐ近くに、今年8月、3店舗目をオープンしました。
店内では、外国人観光客のために写真付きのメニュー表を英語・中国語・韓国語の3か国語で表示しています。
かどや松山事業部・山本洋部長
「外国語メニューは準備しております。あと当店の場合だと宇和島鯛めしの召し上がり方の説明を、英語、中国語、韓国語で見ていただけるように工夫はしております」

「生食」になじみのない外国人客には生卵抜きの提供も
また、鯛めしと言えば生卵の入っただし汁と鯛の身をごはんの上に乗せるのが特徴ですが、「生食」の文化になじみのない外国人観光客のためにこんな工夫も。
かどや松山事業部・山本洋部長
「もちろん日本の安心安全な生卵で、元祖の宇和島鯛めしを召し上がっていただきたいという気持ちはあるんですけれど、文化的に苦手な方などについては、卵を入れずにご提供させていただいております」
外国人客の反応は…
香港から旅行で来たこちらの女性は、ウェブサイトやYouTubeで鯛めしのことを知ったそうです。
香港からの観光客:
「漢字はあるのでメニューは理解できます」
かどや松山事業部・山本洋部長
「初めての食感と味ですごくびっくりしていただいて、喜んでいただいております。ほかのお店とは違うところを海外の方にわかってもらい、選んでいただきたい」

お店の魅力をネット発信 いかに検索で見てもらうかが勝負
こうした飲食店の取り組みをどう発信するのかも課題です。
愛媛県庁で開かれたのが県内の飲食店を対象にしたセミナーです。
このセミナーは県が「インバウンドの集客力向上」を目的に開いたものでおよそ50人が参加。今回、着目したのがネットを活用した集客力アップです。
セミナーでは専門のコンサルタントが「Google」などの検索エンジンでどうやったら店や商品などの情報が上位に表示されるようになるのか、そのテクニックを紹介しました。
iSchool合同会社・伊藤亜津佐代表
「“関連性”と“距離”と“視認性の高さ”、これが知名度の高さですけれど、この3つで決まると言われております」
ネット検索に引っかかりやすくするためには、営業時間や写真、メニューなどの店舗情報を正確に示すことが重要だと話していました。
愛媛の自慢の食材を訪れた海外の人に味わってもらうために飲食店の試行錯誤が続きます。
