「Live News α」では今週、「for the NEXT」を共通テーマに未来に向けたSDGs関連のニュースをお伝えします。
15日はサステナブルなリレーを行う“気づき”を持ち帰ってほしいと願う、宿泊無料のホテルに迫りました。
このホテルで使われている備品は思い出のたっぷり詰まった中古品。
部屋には「大切だったけれど手放す時が来たもの」をテーマに、企業経営者・カメラマン・楽器の漆塗り職人など10人の作者が使っていた思い入れのある物が置かれ、それにまつわる物語がつづられています。
さらに、宿泊料はお金ではなく自分の思いをつづった物語。
ホテルの願いは、“役目を終えた物をそれを必要する誰かに手渡す”。
暮らしの中で行うサステナブルなリレーの“気づき”を持ち帰ってもらうこと。
日鉄興和不動産「BOOK HOTEL 物々語」企画発案者・山本瑞生さん:
「これってサステナブルだったんだ!」と気付いていただくというのが、今回のホテルの一番の目的。
東京都・目黒区にある日鉄興和不動産が展開する環境配慮型の木造賃貸マンション。
このマンションの一室で6月からスタートしたのが、誰かに語りたくなる“心に残る体験“ができる宿泊施設「BOOK HOTEL 物々語」です。
室内を彩るものは誰かが大事に使っていた中古品などで、その“中古品”たちには“物語”が宿っています。
「大切に使い、不要になったら誰かへ手渡す」そんな“モノの循環”のあたたかさと“頑張らないサステナブル”を体感する施設です。
そして、この施設にはもうひとつ、宿泊料は無料という特徴があります。
その代わりに、宿泊していた女性がチェックアウトする日にペンを手に取りノートに書き始めたのは、「手の届かないところを目指して、ハイヒールで背伸びしていた日々」「虹に向かって飛んでいく飛行機を見た。履いていたのはスニーカー。私は今日も歩み続ける。じゃあね、あの日のハイヒール!」という物語。
宿泊者:
最初の方は上を見ることばかりに必死で毎日がむしゃらに生きていたが、地に足をつけた生活をするように心がけたいと思ってこの「ハイヒール」は手放すことにした。
この施設の宿泊料は、“お金”ではなく“あなたの物語”。
宿泊者自身の「大切だったけれど、手放す時がきた物」にまつわる物語をノートにつづること。
この場所は、そうして集まった思いで運営されています。
宿泊者:
今はずっと靴箱の奥の方にしまってあったので、妹に譲ってみようかなと思う。それを手放すきっかけにも今回の宿泊でなった。
宿泊者のように、使わなくなった物を誰かに“譲る”こともSDGsの1つの形です。
そんな小さな気づきから“サステナブル”への気軽な一歩につなげたいとしています。
日鉄興和不動産「BOOK HOTEL 物々語」企画発案者・山本瑞生さん:
一見、中古品。自分からしたら不要になった物であっても、そこに物語を付け加えると、その物が他者から見ると非常に価値がある物というふうに感じていただけると思う。ご宿泊者さまの物語はどんどん積み重なっていくので、時間がたてばたつほど多くの量を楽しんでいただけるかなと。