独特の優しいタッチのイラスト。教科書や単行本の表紙や挿絵などを手がけるイラストレーターの福田利之さんの作品で、松江市で展覧会が開かれています。
街なかの小さな書店を会場に開かれている個性的な展覧会を取材しました。
松江市の書店「アルトスブックストア」。
こだわりの本と雑貨などを揃えるセレクトショップです。
この店では毎月、本の世界をもっと身近に感じてもらおうと、個性的な企画展を開いています。
そのひとつとして10月4日に始まったのが、イラストレーター・福田利之さんの作品展。新しい作品集が7月に刊行されたのにあわせて開かれました。
会場には、2021年に「本屋大賞」を受賞した「52ヘルツのクジラたち」など、福田さんが表紙デザインを担当した本と原画が一緒に展示されています。
10月11日に会場に姿を見せた福田さん…熱烈なファンと交流しました。
購入した本に直筆のサイン、そしてイラストも…。
訪れた人
「嬉しいです」
「あったかい色合いとか目つきが好き」
「短い時間ですぐ描くことができるのがすごいと思った」
東京と徳島の2か所にアトリエを置く福田さん。
はるばる松江の小さな本屋を訪れるようになったきっかけは…
イラストレーター・福田利之さん:
いつどういうきっかけだったっけと話をしていて、お互いわからなくて。気が付いたら西村ご夫妻と仲良くなっていた。仲良くしていただいたという感じ。
店主の西村さんとは10年以上の付き合いで、始まりは今となってははっきりしないものの、福田さんにとって全国の本屋の中でも気になる存在だったそうです。
店内には、作品のほか福田さんが「アルトス」のために描き下ろしたポストカードも。
10年ほど前のオープン9周年には、勾玉を数字の「9」に見立てたデザイン。
「因幡の白兎」もあしらわれています。
イラストレーター・福田利之さん:
「(記念イベントは)普通10周年でやると思うけど、9周年でやるところがアルトスさんらしくて、僕はそういうところがすごく好きですね。
読者の暮らしの近くに作品を届けたいという福田さん。
美術館など大きな会場だけでなく、「アルトス」のような書店など人の縁でつながった小さな場所での展覧会をたびたび開いています。
イラストレーター・福田利之さん:
美術館に絵が飾ってあるというのもすごく素敵なことなんですけど、普通の一般の家に美術館みたいな感じで自分の絵があるというようなものを目指しているところはあります。
福田さんの作品展は、松江市の書店「アルトスブックストア」で、10月19日まで開かれています。
会場には、スイーツや生活雑貨など福田さんがデザインを手がけた品々も並んでいます。
福田さんは、東京などで開く大規模な展覧会だけでなく、こうした小さな展覧会も大切にして作品を届けたいとしています。