投資した5000万円が返ってこない。
「イット!」にこう訴えるのは東京都内に住むAさん夫婦です。

都内に住むAさん夫婦:
「300万円で人生変えましょう、変えましょう」で毎日勉強会がありまして、気がついた時には5000万円まで入れまして。

被害を訴えているのは、実在する外資系の大手資産運用会社の名をかたった“巨額の投資詐欺”。

Aさんは9月、この会社の日本法人の社長名を勝手に使った偽の広告サイトにアクセス。
「特別な投資情報を得られる」などとうたったLINEグループに参加してしまったことがきっかけでした。

都内に住むAさん夫婦:
(Q.LINEグループに何人が?)現在62人、社長の顔まで本物を使って、その中に半分以上サクラが入っていると思うんですけど。毎日「何百万もうかりました」で、「Aさん300万円(の投資)じゃダメだよ」と。

LINEを使ったやり取りで、「投資額を引き上げるよう巧みに誘導された」というAさん。

都内に住むAさん夫婦:
5000万円以下は「一般会員」です。5000万(以上)に「2級会員」、1億円投資したら「プレミアム会員」。注文の株数が違うんですね、株数が違うと利益幅が違う。グループLINEできょうは1000万円もうかりましたとか、どんどんそういう夢への勧誘がありまして。

投資額300万円でスタートしたAさん。
2回目に800万円、さらに3000万円、最後に900万円を追加し、最終的な総投資額は5000万円に膨らんでいきました。

先方から提示された架空の口座画面には、わずか数日間で900万円もの利益が出ているとの表示が。

しかし、ついに先週、Aさんが不信感を抱くきっかけが。

都内に住むAさん夫婦:
今度はいきなり1億円。1億(追加)で新規公開株のIPOを買えますよと。ここで私はちょっとおかしいなって気がつきまして…。

Aさんに追加投資を勧めていたのは、社長秘書を名乗る“タナカ”という女性。
あまりの高額の投資依頼を不審に思い、日本法人本社に確認を取ると…。

都内に住むAさん夫婦:
「タナカなる社員はいない」っていう返答を得た。

“タナカなる人物はいない”との回答を受けたAさん。
しかし、タナカは「秘密プロジェクトだから会社に電話しても『そういう人間はいない』と答える。私は在宅で仕事をしている」と主張し、社員証と免許証の画像を送ってきたというのです。

ところが社員証をよく見ると、ローマ字表記が「TANAKA」ではなく「TANKA」となっていて、Aさん夫婦は「もうあきらかにこれは詐欺である」と気がついたといいます。

現在、Aさんは返金を求めていますが、タナカは返金手数料などとして、さらに数百万円を振り込めと要求し、返金に応じていないといます。

これまでのAさんとタナカとのやり取りはLINEのみ。

15日、電話してみたものの、タナカにつながることはありませんでした。

都内に住むAさん夫婦:
きのうも一睡もしてないですよ。ほとんど眠れない、悔しくて。

名前を悪用された大手外資系資産運用会社は「イット!」の取材に対し、Aさんの投資詐欺への関与を否定。

他にも同様の被害報告が寄せられているとして、ホームページに注意喚起を掲載しています。

専門家は、一度に大きな金額が動く投資詐欺は増加傾向にあると指摘します。

橋下綜合法律事務所・溝上宏司弁護士:
海外の歴史ある著名な投資会社というのは非常に名前を使われやすい。担当の方の素性があまりはっきりしない状態で取引を行うことは、つつしんでいただいた方がよろしいと思う。