2025-26シーズンのB.LEAGUEが開幕し、その戦いが早くも熱を帯びる中、島根スサノオマジックがついにホーム開幕戦を迎える。
10月15日に神話の地・出雲市の「カミアリーナ」で佐賀バルーナーズと対戦。
これまでホームアリーナとして使用していた松江市総合体育館が改修工事に入ったため、今シーズンは出雲市のカミアリーナをメインの本拠地とする。
出雲大社から車でわずか10分という立地の会場でどのような「神話」が生まれるかファンの期待が高まっている。
このホーム開幕戦の模様は、バスケットLIVEなどで配信される中、実況を担当するTSKさんいん中央テレビの福島睦アナウンサーが見どころと展望をまとめた。
島根は今シーズン、新指揮官のペータル・ボジッチHCのもと、「TEAM MAKES MAGIC」というコンセプトを掲げている。
「個々の強みがチームとして繋がった時、マジックが起こる」という意味だ。
セルビア出身のボジッチHCは「強いディフェンスこそが良いチームを作り上げる」、「短いプレータイムでハードワークしてほしい」と選手たちに求めている。
また選手からは「ボジッチHCは、練習中以外はずっと笑顔。毎日1人1人に声を掛けてくれる」という声も聞かれ、指揮官と選手の良い関係性が伺える。
チームはここまで4試合を終え2勝2敗。
開幕カードの越谷アルファーズ戦で2連勝し好スタートを切ったものの、第2節で昨シーズンの王者・宇都宮ブレックスを相手に連敗。
チームの完成度をさらに高めて、西地区の激しい順位争いから抜け出したいところだ。
ボジッチHCは「6~7秒でシュートを作り上げる、高速バスケをファンに見せたい」と意気込んでいて、スピード感あふれる攻撃とディフェンスが新生スサノオマジックの持ち味となる。
注目すべきデータは、2ポイントシュートの成功率がリーグ1位の61%を誇る点、早い展開から着実に得点を重ねていることを示している一方、3ポイントシュートの成功率がリーグ最下位の25.3%となっている点が気がかりだ。
前節の宇都宮との戦いで大きく成功率を下げるなど、堅守に苦しんだのが響いた形だ。
チームの核となるのは、外国籍選手3人による強力な布陣だ。
コティ・クラーク(201センチ/PF)は、独特の間合いで突然放つ「理不尽スリー」が持ち味。
昨シーズンは、右ヒラメ筋の肉離れで19試合欠場したが、今シーズンは完全復活を期している。
ニック・ケイ(206センチ/PF/C)は、在籍5シーズン目となるチームの大黒柱。
過去4シーズン連続で平均プレータイムが30分を超え、2022-23シーズンは3ポイント王(成功率44.6%)に輝いた実績を持つ。
ジェームズ・マイケル・マカドゥ(206センチ/PF/C)は、NBAウォリアーズで2度の優勝を経験したビッグマン。
「スラムダンク」が代名詞で、昨シーズンは、リーグ3位となる74本のダンクを決めている。
日本人勢では、16日に34歳の誕生日を迎える北川弘(183センチ/PG)が「ミスタースサノオマジック」として8シーズン目のプレーを展開。
「プライベートでも数えきれないほど参拝し、パワーをもらう」と出雲大社との強い深い関わりも持つ。
新加入の岡田侑大(189センチ/PG/SG)は、昨シーズン日本人選手得点2位(15.7点)の実力者。
「早いテンポのバスケになると自分は生きる」と話し、持ち味の1ON1とゲームメイクで島根の攻撃を牽引する。
対する佐賀バルーナーズは、宮永雄太HC(兼GM)のもと「連動性」をテーマに掲げるチーム。
アシスト数はリーグ1位を誇り、個人では阿部諒(3位)と角田太輝(7位)が上位にランクインしている。
両チームのB1での対戦成績は互いに4勝4敗と完全に五分。
過去2シーズンとも2勝2敗の痛み分けとなっており、今回の対戦も接戦が予想される。
出雲地方では旧暦10月が「神在月」と呼ばれる特別な時期。
全国から八百万の神々が集まるとされるこの時期に、チーム名の由来にもなった「スサノオノミコト」をまつる出雲大社近くで行われる試合は、チームにとってファンにとって格別の意味も持ちそうだ。
試合は15日午後7時5分にティップオフ、島根でも熱いシーズンが始まる。