江戸時代に活躍した浮世絵師・歌川広重の話題。天童市に歌川広重の作品を展示する美術館があるが、なぜ天童市にあるのか? 実は山形県人でもあまり知られていない。そんな疑問に“広重さん”が答えてくれるということで行ってきた。
天童市の温泉街にある広重美術館。
江戸時代の浮世絵師・歌川広重の作品約1500点を所蔵している。
9月13日、美術館が試験導入したのが、人工知能を活用した“AI広重”。
歌川広重の分身キャラクターで、実際におしゃべりをすることができる。
菅原「広重さんに代表作品を聞いてみます。広重さんの代表作品は何ですか?」
AI広重「わしの代表作といえば“東海道五十三次”が有名じゃが、旅の風景を描いて日本中の人々に大人気じゃった」
菅原「実際に広重さんが話してくれるだけでなく、作品の画像も出てくる。これはわかりやすいですし、何より勉強になります」
AI広重には、会話形式で自然な文章を生成してくれるチャットGPTが使われていて、疑問を投げかければすぐに答えを返してくれる。
江戸っ子だった広重さんの美術館が、なぜ天童にあるのだろうか。
菅原「なぜ天童に広重美術館があるんですか?」
AI広重「天童藩織田家の依頼で掛け軸をたくさん描いたことが、わしと天童のゆかりの始まりじゃ。その縁で天童に広重美術館ができたんじゃよ」
かつて天童の地を治めていた天童藩織田家の財政が苦しかった時、商人や農民に借金をしていた。
そのお礼として渡そうと、織田家は200を超える“肉筆画”を広重に依頼。
量産ができ比較的安価だった版画とは違って、肉筆画は高価な一点もので、“天童広重”と名がつけられたそう。
せっかくなので、今から200年以上前の“江戸時代の暮らし”について聞いてみると…。
(AI広重)
「江戸時代の人々は魚を食べたり、町で買い物をしたり、祭りや芝居を楽しみながら暮らしていた。商人や職人・農民などいろいろな仕事があって、人々はお互いに支え合って生きていたんじゃ」
江戸っ子風の話し方やわかりやすい回答でどんどん話が弾み、導入後約1カ月間でやりとりされた会話は1500回に上るそう。
(広重美術館・梅澤美穂副館長)
「遠い過去の人といま会話をするという新しい経験は、それだけでも価値があること。広重のこと・知らなかったことをより深く知るきっかけにして帰ってほしい」
AI広重の試験導入は11月24日まで。広重美術館の入館者は無料で会話を楽しむことができる。
江戸時代に思いを馳せ、AI広重とおしゃべりしてみてはいかがだろう。
<広重美術館の情報>
■住所:山形県天童市鎌田本町1-2-1
■開館時間:午前10時~午後5時(入館午後4時半まで)
■休館日:毎週火曜と展示替え期間
■入館料:大人800円、学生500円、小中学生300円