短歌文学で功績のあった人に贈られる、若山牧水賞の今年の受賞者が発表されました。
30回目を迎える若山牧水賞を受賞したのは、秋田県の歌人で住職の山中律雄さん67歳です。
東北地方から受賞者が選ばれるのは初めてです。
山中さんの受賞作品「光圏」では、「盆の経分けて息子と回りをりあと五十軒気がとほくなる」など、僧侶としての日常生活や病を患っていることへの思いなどが詠まれています。
選考委員からは、客観的に自分を見つめて写実を深めている、五七五七七の形式を守り、若山牧水を継いでいるなどと評価されました。
(若山牧水賞 伊藤一彦選考委員)
「山中さんの歌は、温かい人間味を感じさせる。とてもいい歌で、本当にいい歌集を選ばれたなと思っています」
受賞を受けて、山中さんは「初めて加入した短歌結社が、若山牧水創刊の『創作』であり、どこか不思議な縁を感じています」などとコメントしています。
授賞式は、来年1月に宮崎市で行われます。