岡山県鏡野町の山田養蜂場の本社ギャラリーで開かれている近代ヨーロッパの名画のコレクション展が話題となっています。疑惑の渦中にある作品も展示されているためです。

公開されているのは19世紀のフランスで生まれたバルビゾン派と呼ばれる絵画です。バルビゾン派とはミレーやルソーなどフランスのバルビゾンという村に集った画家たちのグループで村の風景や農民の生活ぶりを描きました。

(山田養蜂場社会活動室 黒瀬かおり室長)
「新たに収蔵し公開しているのがコローの「霧の朝」。コローらしい銀色のような灰色のような煙ったような美しい色合い、霧の中、朝日に輝く木々がとても美しい作品なので、直に見てもらい美しさを楽しんでほしい」

館内にはバルビゾン派から現在までのフランス絵画の変遷が分かりやすく並べられています。

そんな中・・・

(三竿雅義記者)
「ギャラリーで新たな注目を集めているのがこちらの作品「モンパルナスのキキ」です」

作品は山田養蜂場が2013年に東京の美術館から購入したもの。作者はポーランド出身で1900年代前半、パリで活躍していたモイズ・キスリング。作品にはキスリングの息子直筆の鑑別書があったと言いますが…。

(山田養蜂場社会活動室 黒瀬かおり室長)
「このラベルが(ヴォルフガング・)ベルトラッキ氏が贋作(がんさく)を作ったときに貼るラベル」


山田養蜂場によりますと作品はドイツの贋作師、ヴォルフガング・ベルトラッキさんの作品ではないかとされていて、2025年4月、広島県福山市の展示会に貸し出している際、関係者に贋作の疑いを指摘されました。その後、本人に確認したところ「自分が描いた」と話したということです。

キスリングの他の作品に記されたサインを見比べてみても…。

(山田養蜂場社会活動室 黒瀬かおり室長)
「驚いた。まさか自分たちのギャラリーにも(ベルトラッキ氏の)作品があるとは思ってもみなかった。美しい作品なので贋作かもしれないと思うと悲しい気持ちになった」

山田養蜂場は現在開催中の展示会で贋作の疑いがある作品として展示を続けますが、今後、科学分析を行うことにしています。

岡山放送
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