継続か、それとも刷新か。17日間の選挙戦の火蓋が切られました。任期満了に伴う宮城県知事選挙が10月9日に告示され、5人が立候補を届け出ました。5期20年にわたる村井県政の評価や人口減少対策などが主な争点になります。

立候補したのは届け出順に、現職の村井嘉浩氏、元参議院議員の和田政宗氏、自営業の金山屯氏、元県議会議員の遊佐美由紀氏、角田市の元職員・伊藤修人氏の5人です。

9日はさっそく各候補者がマイクを握り、自身の政策・主張を訴えました。

今回の選挙では、村井県政5期20年の評価や人口減少・少子高齢化対策などが主な争点となり、このほかにも、県独自の水道事業・みやぎ型管理運営方式や県が進める仙台医療圏の病院再編構想などについても論戦が交わされる見通しです。

仙台放送では各候補者の第一声をAIで分析し訴えをまとめました。

まずは現職の村井氏です。取り組んできた仙台医療圏の病院再編の意義を訴えたほか、歳出削減や人口減少対策など、5期20年の実績を強調しました。

現職 村井嘉浩氏
「構造的な課題を税金を使って解決するのではなくて、根本的なところに手を入れて変えていく。当然いろんな軋轢もありますし、批判もありますけれども、こういうことをやることが正しい為政者だと、苦しくても頑張ってやってきたわけであります。まだやり残したことがある。それを私がやることによって、早く実現できるとそう思って出馬を決意したわけであります」

和田氏は、村井氏が打ち出し、その後撤回した土葬墓地の整備計画について「計画は取りやめるべき」と改めて述べたほか、少子化対策に関する施策を訴えました。

新人 和田政宗氏
「産後ケア費の負担ゼロ、不妊治療費の負担ゼロ、卵子凍結費の負担ゼロ。全国初の思い切った出産育児支援策を行ってまいります。そうでないと宮城県の少子化は転換いたしませんし、子育て世帯も支えられない。これが今の宮城県の状況です」

金山氏は場外馬券場を誘致する計画のほか、仙台市で去年から始まったパートナーシップ制度に反対する姿勢を示しました。

新人 金山屯氏
「少子高齢化の対策、私は十分、『ウィンズ(場外馬券発売所)』の誘致でなると思います。娯楽施設がないんですよ、この政令指定都市(仙台市)に。ギャンブルだめですか、おそらく郡市長は反対すると思う。私はこの仙台、日本のラスベガスにしたいんですよ」

元県議会議員の遊佐氏は福祉の充実を強調。県として誰一人取り残さない社会を実現し、ボトムアップ型の県政を作っていくと訴えました。

新人 遊佐美由紀氏
「トップダウンの県政により、県民の信頼が失われています。今こそ、一人一人に耳を傾け、ボトムアップから一人一人の声が大切にされる県政が求められているのではないでしょうか」

岩手県出身で結婚を期に丸森町に移住した伊藤氏は、デジタル技術を活用した地方と都市部の格差の是正や、1次産業への支援の充実を訴えました。

新人 伊藤修人氏
「同じ医療費、保険料、税金、そういったものを負担している中で、かたや歩いて行ける範囲に学校も病院も買い物もできる施設がそろっている。かたや車で1時間以上かけて、そういったところまで行かないといけない。このような不公平はしっかり是正していかないといけない」

県内の有権者数は、10月8日時点で189万754人。

投票は10月26日に行われ、一部の地域を除き10日から期日前投票も始まります。

一方で、立候補の意向を表明していた研究者の古市尚高氏は供託金の準備が間に合わず、立候補を断念しました。

そして、仙台放送では投票日の26日午後8時から知事選の行方を生配信で速報します。

最新の開票結果や情勢を徹底解説!候補者の表情、県民の一票の行方をリアルタイムでお伝えします。

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